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10代死亡、児相対応などの課題指摘 広島県の検証会議が報告書

2021/4/23 22:54

広島県庁で検証結果を説明する那須委員長(左端)たち

 広島県西部こども家庭センター(広島市南区)が一時保護していた10代の子どもが昨年10月末に委託先の県内の児童養護施設で亡くなった問題で、県が設置した検証会議が23日、報告書をまとめた。児童相談所であるセンターの対応や、センターのサポート体制に課題があったとし、県に再発防止を求めた。

 報告書によると、センターは昨年4月、家庭の経済的な事情で子どもを一時保護し、6月に県内の児童養護施設への入所方針を決めた。入所に母親の同意を得られなかったため、広島家裁に承認審判を申し立て、施設に保護委託した。

 子どもは一時保護時にセンターに行くのを嫌がる発言をし、保護後も母親に繰り返し会いたがった。しかし、センターは申し立て中などを理由に面会させず、亡くなるまでの半年間、親子の交流は手紙だけだったという。

 検証会議は、こうした対応を問題視し、亡くなった子どもにとって「子どもの側に立った第三者に意見を聞いてもらう機会がなかった」と分析。申し立て中の面会制限は半ば慣例的にされたとして「個別具体的に検討する必要がある」と指摘した。自治体による生活保護支給などの早期支援ができなかった点や、児相をサポートする体制の不備なども課題に挙げた。

 再発防止へ、子どもの意見を代弁する「アドボケイト制度」(子ども権利擁護システム)の導入を提言した。長期の面会、通信制限の要否について第三者の意見を聞く▽児相と児童養護施設が連携して子どもをケアする▽経済的に困った家庭が安心して生活保護の相談や申請をしたり、法的相談ができたりする体制を整備する―なども求めた。

 弁護士の那須寛委員長がこの日の会合後、県庁で県健康福祉局の木下栄作局長に報告書を提出した。木下局長は「課題や提言を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に向けた具体的な取り組みに反映する」と述べた。那須委員長は「今後も委員が県に関わり、バックアップしたい」と話した。(赤江裕紀)

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