地域ニュース

キャンプ場で「たき逃げ」横行 罰金科せられるケースも

2021/4/27 18:43
新平ケ原公園内のキャンプ場で、たき火跡に残された炭を処理する本居支部長(25日、撮影・山下悟史)

新平ケ原公園内のキャンプ場で、たき火跡に残された炭を処理する本居支部長(25日、撮影・山下悟史)

 燃え残った炭が無残に転がり、焼け焦げた芝生が痛々しく広がる。たき火の後片付けをしないで帰る「たき逃げ」と呼ばれる悪質なマナー違反が山口県内のキャンプ場で横行している。火事やけがにつながりかねず、3密を避けて楽しめるキャンプの人気が高まる中、問題が広がっている。

 周南市の山あいにある無料キャンプ場、新平ケ原公園は先週末、大勢の利用者でにぎわっていた。地面で直接たき火をするじか火の禁止や燃えかすの持ち帰りを訴える看板が立つ園内で、黒ずんだ地面をスコップで削る人たちがいた。日本単独野営協会山口支部のメンバーだ。

 「マナーやモラルを守らない人が後を絶たない。一番怖いのは火事。炭は水をかけても火がくすぶっていることがある。分解されず土に返らないので不法投棄と一緒」。山口支部の本居豊支部長(44)はため息をつく。このキャンプ場では23日夜から3日間で約20カ所のたき逃げ跡を確認した。廃材を燃やした後にはくぎが残り、けがをする恐れもある。植木で見えにくい場所には大量の灰と炭が捨てられていた。

 山口市の千坊川砂防公園キャンプ場でも被害が出ている。無料で24時間出入りできるためか、無許可で入り、たき逃げをする人が目立つという。同市秋穂総合支所農林土木課の三輪昌子管理担当は「じか火跡も数カ所ある。ルールをしっかり守ってほしい」と憤る。

 こうした迷惑行為は全国で深刻化している。キャンプができる神奈川県の河川敷ではたき逃げが原因とみられる火災が起きた。岐阜県揖斐川町は利用者のモラルの悪化などを理由に4月、あるキャンプ場でキャンプとバーベキューを永久禁止にした。広島市中区でも河川敷でじか火跡が見つかり問題となっている。

 山口県によると、たき火の不始末で山火事になると森林法違反(失火)で50万円以下の罰金を科せられることがある。燃え残った炭や灰は放置すれば廃棄物処理法違反(不法投棄)になり得るという。

 日本オートキャンプ協会(東京)によると、オートキャンプ場の宿泊者は推計で2012年の720万人から19年は860万人に増えた。新型コロナウイルス禍が追い風になり、初心者も多い。千坊川砂防公園の20年度の利用者は18年度の1・7倍となった。

 キャンプ場の人出は大型連休から夏にかけて増える。本居支部長は「当たり前のことを当たり前にできるのが一流のキャンパー。最低限、持ってきたごみは持ち帰ってほしい」と訴える。(渡辺裕明)

 <クリック>日本単独野営協会 2018年5月に「ソロキャンプの健全な普及」を理念に設立された任意団体。会員数は約1万6千人。ボランティアで野営地やキャンプ場の清掃、キャンプイベントの開催、マナーの啓発などの活動をしている。本部は横浜市。大阪府など全国に4支部があり、山口支部は約100人。

【関連記事】

野外バーベキュー「来たときよりも美しく」 芝の焼け焦げ見つかったケースも

広島市中区の本川河川敷に「じか火」跡 2カ所発見、芝生「損傷」は市条例違反

アウトドア市場、熱く 百貨店が売り場新設/キャンプ料理専門店も


この記事の写真

  • 周南市の新平ケ原公園キャンプ場に設置されているじか火の禁止や炭などを持ち帰るよう呼び掛ける看板

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

同じ日のニュースの記事
一覧