地域ニュース

新発見の鴎外自筆原稿 島根県津和野の記念館、寄贈受け展示

2021/4/29 23:29
訂正を重ねた跡が見られる「和氣〓麻呂と足立山と」の自筆原稿

訂正を重ねた跡が見られる「和氣〓麻呂と足立山と」の自筆原稿

 島根県津和野町出身の文豪森鴎外(1862〜1922年)が新聞に寄稿した随筆の原稿2点が新たに見つかり、寄贈を受けた同町の森鴎外記念館が展示している。奈良から平安時代にかけて活躍した貴族の和気清麻呂の生涯と伝説などをまとめている。うち1点は、北九州市小倉に住んでいた時代の自筆で、この時代の原稿を所蔵するのは初めて。8月29日まで。

 町によると、原稿は鴎外が陸軍第12師団軍医部長として小倉に赴任していた1902年、地元紙「門司新報」に依頼されて執筆した。「和氣〓麻呂(わけのきよまろ)と足立山と」は同年に掲載。清麻呂の生涯や、小倉の足立山の温泉で足の傷を治した伝説を紹介した。手持ちの資料が少なく執筆に苦労していたと見られ、「和氣公」を「和氣〓麻呂」に書き換えるなど訂正を重ねた跡が見える。

 もう1点の「再び和氣ノ〓麻呂と足立山との事に就きて」は、東京に戻った翌03年に掲載。同じ内容を時系列にまとめ直した内容という。

 原稿はともに11枚。和紙と原稿用紙に筆で書かれている。昨年9月、保管していた曽田豊二福岡大名誉教授の遺族が寄贈した。

 同館の大山優子主任主事は「2編を見比べて、小倉時代の鴎外の執筆の苦労を感じ取ってほしい」と話している。企画展「小倉時代の鴎外」で展示している。(松島岳人)

 【お断り】〓は「清」の「月」の部分が「円」となる漢字ですが、JISコードにないため表示できません。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

同じ日のニュースの記事
一覧