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再開発機運どう高める 投資呼び込み鍵に【動きだす紙屋町・八丁堀 都市再生緊急整備地域指定】<上>転機(2018年11月1日掲載)

2018/11/1 10:40
老朽化した市営基町駐車場・駐輪場。一帯の再開発に期待の声が上がる

老朽化した市営基町駐車場・駐輪場。一帯の再開発に期待の声が上がる

 広島市中心部の紙屋町・八丁堀地区が国の都市再生緊急整備地域に指定され、再開発をしやすくなった。中四国で最も商業施設や官公庁が集積した地でありながら、郊外への人の流れを受けた空洞化や、建物の老朽化が深刻となっている。市がリーダーシップを発揮して民間開発を促し、にぎわいや経済の好循環を生むことができるのか。動きだす「都心の再生」の課題と展望を探る。

 広島市中区の市営基町駐車場・駐輪場。鉄筋7階建ての建物は染みが目立ち、レトロな雰囲気さえ漂う。1970年に完成し、耐震基準も満たしていない。この一帯が、市中心部のにぎわいづくりの鍵を握ることになった。市と広島商工会議所が9月、再開発事業として商議所ビル(中区基町)の建て替え、移転の検討を表明したからだ。

 ▽民間 期待広がる

 国は10月、基町駐車場を含む紙屋町・八丁堀地区を都市再生緊急整備地域に指定。土地利用の規制緩和や税制優遇が受けられる。商議所の深山英樹会頭は「先導的なプロジェクトとなるよう具体的な検討を始めたい」と、一帯の再開発の機運を高める考えを示した。

 不動産業者など民間企業には期待も広がる。指定エリアにオフィスビルなど4棟を持つ合人社グループ(中区)は「エリア全体が活性化すれば不動産の価値が上がり、賃料水準も上昇する」とみる。リーガロイヤルホテル広島(同)の田沼直之総支配人は「オフィスや商業施設が入る複合ビルの建設が進めば利用客も増える」と受け止める。

 紙屋町・八丁堀地区は古い建物が多く、2014年度の市と県の調査では3391棟のうち6割が築30年以上だった。

 不動産サービス大手シービーアールイー広島支店(同)の担当者は「老朽化した小規模なビルが多く、建て替えも進んでいない」と指摘。「札幌、仙台、福岡市など他の政令指定都市と比べて再開発のスピードが遅く、都市間競争に負けている」とみる。

 同社によると、広島市中心部のオフィス空室率は2・9%(9月末時点)で低い水準にある。観光客が増えてホテルも不足しており、再開発への期待は膨らむ。

 ▽巨額資金必要に

 一方で課題もある。指定エリア内のあるホテルは築40年を超すが「資金の面で建て替えは検討していない」と明かす。建て替えでなく、耐震補強や改装に取り組むケースも目立ち、抜本的な開発のうねりがどこまで広がるかは不透明だ。

 「複数の所有者に働き掛けて土地をまとめるなど、ノウハウと資金力のある大手デベロッパーの力が欠かせない」(地場不動産業者)との声も上がる。再開発には全国大手企業をどう巻き込むかも課題だ。ひろぎん経済研究所(中区)の河野晋理事は「再開発には巨額の資金が要る。県外から投資を呼び込めるよう、行政には街づくりの計画や魅力を積極的に発信する必要がある」と話している。(山本和明、東谷和平)

 <クリック>都市再生緊急整備地域 都市の再生の拠点として、緊急かつ重点的に市街地の整備を進めるべき地域として、国が指定する。土地利用の規制緩和や、事業認可の手続き期間の短縮、税制支援などが受けられ、民間の活力を中心とした都市再生を促す。10月の紙屋町・八丁堀地区を含め、全国18都道府県で55地域が指定されている。


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