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官民の連携継続不可欠 スピード感も必要【動きだす紙屋町・八丁堀 都市再生緊急整備地域指定】<中>リーダーシップ(2018年11月2日掲載)

2018/11/2 10:40
相談窓口で都市再生緊急整備地域制度のメリットなどを説明する市職員(奥)

相談窓口で都市再生緊急整備地域制度のメリットなどを説明する市職員(奥)

 広島市の中心部、紙屋町・八丁堀地区の開発に関わる市役所の相談窓口。国の都市再生緊急整備地域への指定が決まった19日に新設し、10日余りで17件の相談が寄せられた。民間事業者や地権者に対し、市職員の説明にも力が入る。「区画をまとめて開発すれば容積率が緩和され、大きなビルを建てやすい」「税制面の支援も受けられる」。制度のメリットを伝える。

 ▽「駅周辺」再現を

 市はJR広島駅(南区)周辺で進む再開発の再現を描く。2003年に整備地域の指定を受け、「指定が後押しになって進んだ成功体験」(都市機能調整部)。マツダスタジアムや再開発ビルなどが相次いで建ち、駅の南北自由通路も完成して街並みや人の流れが一変した。民間主体で公共空間のルールや施設の管理運営を進めるエリアマネジメント組織も機能し始めた。

 一方、そもそもの再開発事業の着手は1981年で長い時間がかかっており、市民には「遅すぎる」との受け止めがある。松井一実市長は「都心の再整備が確実かつ早急に進むように取り組む」と、スピード感が要るとの認識を示す。

 ▽会頭すぐに呼応

 官民が連携して指定をたぐり寄せただけに、その継続も成否の鍵を握る。リーディングプロジェクトは広島商工会議所ビル(中区基町)の建て替え・移転を含む再開発事業。ことし9月、松井市長が市営基町駐車場・駐輪場一帯の再開発を表明すると、翌日に深山英樹会頭が「早く進めたい」と呼応。10月の記者会見では「再開発を引っ張る」と意欲をみせた。松井市長が2019年4月、深山会頭は同10月末に任期満了というタイミングの妙もある。

 さらに指定の出発点となったのは昨年3月に市が県とまとめた都心活性化プランで、冒頭に「県と連携して市の都心が市域・県域の発展をけん引する」とうたう。県との連携を市長選公約に掲げた松井市長。湯崎英彦知事との距離は、秋葉忠利前市長と藤田雄山前知事の時代より近い。ある市幹部は「県と市はパートナー。同じ方向を見ないと施策は進まない」という。

 指定時にまとめた整備方針では、民間開発に合わせて歩道や広場として使える公共空間や緑地を確保するなど、公益につながるまちの将来像を描く。県市の連携はより重要となる。

 整備地域の指定に向けた検討協議会の座長を務めた渡辺一成・福山市立大教授(都市・地域計画)は、市や県などでつくった検討協議会の法定化を提案する。「単なる建物更新にとどまらず、継続的な『まち育て』の推進が求められる。市は中心的な役割を果たしてほしい」と訴える。(江川裕介)

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