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「懸案解決の一歩」期待 集客へ民間と議論を【動きだす紙屋町・八丁堀 都市再生緊急整備地域指定】<下>潜在力(2018年11月3日掲載)

2018/11/3 10:40
都市再生緊急整備地域に指定され、活用策の検討が急がれる旧市民球場跡地。右上は建て替え・移転が検討されている商議所ビル

都市再生緊急整備地域に指定され、活用策の検討が急がれる旧市民球場跡地。右上は建て替え・移転が検討されている商議所ビル

 道路をまたぎ、容積率の大きいビルを建てる―。広島市中区の市営基町駐車場・駐輪場一帯の再開発事業で、市や広島商工会議所などは、青写真を描く。商議所ビルの移転を軸に、オフィスやホテルの入居を想定。国の都市再生緊急整備地域では2016年の制度改正で、一般道路を挟んだ区画を使い、上空でトンネル状に建物をつなぐような開発が可能になった。

 ▽ランドマークに

 「メリットを最大限生かして、再開発のランドマークにしたい」と市幹部。紙屋町・八丁堀地区の整備地域指定が持つ意義を示したいと強調する。ことし6月以降、市幹部たちは相次いで大阪市の新ビルを視察した。制度改正後に老朽化した2棟を再構築した手法やにぎわいぶりを、広島の将来像に重ねたという。

 市は今回の再開発を「リーディングプロジェクト」とし、まちづくりの懸案を解決する一歩にとの考えをにじませる。筆頭は商議所ビルに隣接する旧市民球場跡地。サッカースタジアム建設候補地の一つで、活用策の議論は中断している。松井一実市長は10月の記者会見で、商議所ビルと駐車場の敷地を等価交換する可能性に触れ、市がビル敷地を所有すれば活用策を描きやすくなるとの考えを示した。原爆ドームと原爆慰霊碑を結ぶ線上の景観を保つ観点からも、市景観審議会が検討を進めている「目指すべき姿」に近づく。

 ▽周辺機能そろう

 中四国最大となる都心に対し、都市機能の強化を求める声は強い。地域整備方針では、国内外から大勢の集客が見込める国際会議や見本市といった「MICE(マイス)」の誘致も掲げた。商議所は昨年12月に「グローバルMICE検討特別委員会」を設置。市中心部での施設建設を探る。

 日本政府観光局によると、16年の国際会議の開催状況は、同じ政令指定都市である福岡市の383件に比べ、広島市は76件と大きな差がついている。ある委員は紙屋町・八丁堀地区のポテンシャルについて「観光、宿泊、交通、買い物、飲食と全ての要素がそろう。MICEはこれらの周辺機能があるからこそ選ばれる。球場跡地も候補の一つ」と話す。

 中国地域創造研究センター(中国創研)の宮本茂・副総合研究リーダーは「グローバルに知られた平和都市の中心部で、インバウンド(訪日外国人客)が増えているのも強み」とみる。企業の本社進出や旗艦店の出店にも期待感を示し、「世界から人が集まり新たな産業が生まれるよう、行政と民間企業が開発の計画段階から連携しグランドデザインを描く議論が欠かせない」と求める。(江川裕介、山本和明、境信重)


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