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紙屋町・八丁堀、新たな「顔」へ(2019年1月1日掲載)

2019/1/1 10:40
再開発の検討が始まった市営基町駐車場・駐輪場一帯。紙屋町・八丁堀地区の再生の鍵となる(撮影・井上貴博)

再開発の検討が始まった市営基町駐車場・駐輪場一帯。紙屋町・八丁堀地区の再生の鍵となる(撮影・井上貴博)

 平成最後となる今年、広島は中四国地方の中枢都市として新たなステージを見据える。2018年10月、広島市中心部の紙屋町・八丁堀地区が国の都市再生緊急整備地域に指定された。再開発の絶好機に官民の期待は膨らむ。積み重ねてきた街づくりを、さらに飛躍させようと。

 時代の移ろいとともに一歩、また一歩と発展してきた。1945年8月6日。原爆投下で「70年は草木も生えない」と言われながらしかし、力強く立ち上がった。

 4年後、広島平和記念都市建設法が施行される。東西に貫く平和大通りと、原爆ドーム、原爆慰霊碑、原爆資料館を結ぶ南北軸―。建築家丹下健三氏(13〜2005年)が描いた平和都市のグランドデザインは、この街の枠組みを決めた。

 1980年に政令指定都市に移行し「100万人都市」に。紙屋町・八丁堀地区は百貨店や商業施設が集積し、彩りを増していく。94年のアジア大会をきっかけに多くの公共施設が建てられ、都心と郊外を結ぶアストラムラインも走りだした。

 だが、少子高齢化による人口減少時代を迎え、成長力は鈍る。郊外への大型商業施設の進出が相次ぎ、都心の空洞化に拍車が掛かる。築30年を超える老朽化した建物がひしめく街は、再生の契機を見つけられずにいた。

 一方でグローバル化とともに、「ヒロシマ」の知名度に引かれて来訪者は増え、街の魅力は外部からの評価を受ける。経済や観光の底上げへと、「都心の顔」の活性化は必要に迫られている。

 再生の先行事例がある。2003年、整備地域に指定されたJR広島駅(南区)周辺。再開発を経て、玄関口にふさわしい姿に生まれ変わりつつある。紙屋町・八丁堀地区も後に続けば、相乗効果を生んで都市の拠点性を大きく高めるだろう。

 まずは市営基町駐車場・駐輪場一帯の再開発事業。広島商工会議所ビルの建て替え・移転や旧市民球場跡地の活用など、長年の懸案を動かす出発点として熱い視線が注がれる。

 将来も住み続けたいと思える広島の新しい未来を切り開くために。皆で知恵を絞る一年が始まった。(江川裕介)


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