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JR広島駅南口 新たな「顔」21年度着工【空撮点検 中国地方の大型事業】(2021年1月8日掲載)

2021/1/8 10:40
幕が張られ、解体工事が進むJR広島駅の駅ビル(中央)。新駅ビルの2階に広島電鉄の新ルート「駅前大橋線」が乗り入れる(撮影・荒木肇)

幕が張られ、解体工事が進むJR広島駅の駅ビル(中央)。新駅ビルの2階に広島電鉄の新ルート「駅前大橋線」が乗り入れる(撮影・荒木肇)

 JR広島駅(広島市南区)南口で工事音が響く。2020年3月で営業を終えた駅ビル「広島アッセ」の解体工事だ。幕で覆われた建物の取り壊しはこれから本格化する。21年度にはJR西日本が新たな駅ビルを着工する。

 ■3倍以上広く

 新駅ビルは地上20階、地下1階建て延べ約11万1千平方メートル。広さはアッセの3倍以上となり、ショッピングセンターとシネコン(複合映画館)、ホテル(400室規模)が開業する。120万都市の玄関口の新たな「顔」は、25年春の完成予定で、総事業費は約600億円に上る。

 工事の囲いには、駅ビルの歴史が写真と文章で記されている。1894(明治27)年の開業当初は簡素な木造駅舎だったが、大正時代にはコンクリート造へ改築、原爆によって大破し、その後に再建した。時代に応じて姿を変えてきた様子が分かる。

 「広島の玄関口にふさわしい、周辺都市からも顧客が来るビルにしたい」。ビルの商業施設の運営を担う中国SC開発(南区)の田尻寛取締役総務部長(60)は力を込める。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ「先が見通しづらい今だからこそ、しっかり市場調査して店作りを考えたい」

 ■中心部へ10分

 駅前の南口広場も大きく変わる。25年春には、広島電鉄(中区)の路面電車が駅舎2階まで高架を上がって乗り入れる。JRの改札口と同じフロアで直結する一方、新ルート「駅前大橋線」の発着点となり、市中心部の紙屋町東まで従来より4分短い10分で行き来できるようになる。

 新駅ビルは、南口周辺にある1999年完成の「エールエールA館」、16年建設の高層ビル「ビッグフロントひろしま」「エキシティ・ヒロシマ」とペデストリアンデッキ(歩行者専用橋)でつながる。横断歩道を渡らずに済むため、回遊性が高まると期待も膨らむ。新駅ビルと駅前大橋線の完成で、一帯のまちづくりは総仕上げとなる。

 1951年に創業し駅ビルにも店舗を構えてきた、もみじまんじゅう製造のにしき堂(東区)の大谷博国社長(67)は「駅は単なる交通拠点ではなく、人が集まり喜びをつくる場所」と話す。新たな駅も、広島の発展の象徴であってほしいと願っている。(新山創)


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  • 原爆で大破した後、再建した広島駅=1954年1月(吉藤正樹さん提供)

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