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サカスタ、感覚過敏のファンに配慮「センサリールーム」 広島市中区・中央公園広場の建設計画、国内初の常設へ(2021年2月9日掲載)

2021/2/9 10:40
国立競技場に仮設されたセンサリールームで、YBCルヴァン・カップ決勝を観戦する家族=1月4日(Jリーグ提供)

国立競技場に仮設されたセンサリールームで、YBCルヴァン・カップ決勝を観戦する家族=1月4日(Jリーグ提供)

 ▽大音量や人混み避けガラス越し観戦 多様な障害に配慮

 広島市中区の中央公園広場に建設が計画されているサッカースタジアムに、感覚過敏を抱えるファンに配慮した観客席「センサリールーム」が常設される見通しになった。事業主体である市が、設計・施工業者に求める施設の仕様に関する文書に盛り込んだ。発達障害などがあり、大音量や強い照明、人混みが苦手でパニックに陥る人たちが安心して観戦できる環境を整える。欧米のスタジアムでは整備が進むが、国内のサッカー場での常設は初めてという。

 センサリールームでは一般的に室内を薄暗く保ち、スピーカーの音量にも配慮する。人混みや周囲の視線を気にせず、ガラス越しに観戦を楽しむことができる。

 センサリールームの設置について、市は有識者会議の意見を踏まえて検討。2019年11月の海外視察では、実際に運用している英ロンドンのスタジアムを見学した。県や広島商工会議所、J1サンフレッチェ広島などとの調整を経て、20年10月にまとめた設計・施工業者向けの要求水準書に設置計画を盛り込んだ。市は24年のスタジアム開業を目指している。

 要求水準書では、興奮を落ち着かせるための休憩スペースの確保や、聴覚障害者の補聴器の聞こえを支援する装置を観客席の900席以上に整備することも明記した。市スタジアム建設部は「多様な障害に配慮し、スタジアムで観戦したくてもできないという人をなくしたい」とする。

 発達障害などがあるファンに配慮したスポーツ観戦の環境整備は近年、国内でも広がりつつある。

 J1川崎フロンターレの本拠地、等々力陸上競技場(川崎市)では19年7月、親会社の富士通など3社と川崎市が主導し、国内で初めてセンサリールームを仮設した。今年1月、いずれも東京・国立競技場であったサッカーの天皇杯全日本選手権とJリーグのYBCルヴァン・カップの決勝でも同様の取り組みが実施された。

 発達障害に詳しい広島大大学院の氏間和仁准教授(特別支援教育学)は「センサリールームが常設されることが意義深い。発達障害の子どもや家族たちへ、いつでも観戦に訪れて、というメッセージになる。感覚過敏の啓発にもつながる」と期待を寄せる。(高本友子)

 <クリック>新サッカースタジアムの建設計画 広島市、県、広島商工会議所などが2013年に検討協議会を設置。19年5月に建設に向けた基本方針を、20年3月に基本計画を決めた。約8万5600平方メートルの中央公園広場の西側に整備し、3万人規模を収容。全ての観客席を屋根で覆う。スタジアムの東西は、物販やスポーツ施設も視野に子どもから大人まで集える「広場エリア」とする。事業費は約270億9900万円を見込む。

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