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広島の新サッカースタジアム 街なか、にぎわいの核へ【空撮点検 中国地方の大型事業】(2021年1月21日掲載)

2021/1/21 10:40
埋蔵文化財の発掘調査が進むサッカースタジアム建設予定地の中央公園広場(手前)。奥の円形の更地は旧市民球場跡地(撮影・荒木肇)

埋蔵文化財の発掘調査が進むサッカースタジアム建設予定地の中央公園広場(手前)。奥の円形の更地は旧市民球場跡地(撮影・荒木肇)

 かつての憩いの場は高いフェンスに囲まれ、芝生や樹木が生えていた園内では埋蔵文化財を調べる発掘作業が進んでいる。広島市中区の中央公園広場。3年後の2024年、新サッカースタジアムが誕生する。事業主体の市は今年3月にも設計施工を一括して担う業者を決める。市中心部の新たなスポットの青写真を描く1年となる。

 約3万人を収容する新スタジアムは、J1サンフレッチェ広島の本拠地となる。ピッチと客席を近づけ、選手と一体感を感じられる仕様を目指す。広島東洋カープの本拠地、マツダスタジアム(南区)と同様に売店が並ぶコンコースを設置。VIP席など多様な席も用意する計画だ。

 「街なかスタジアム」。市は、近くにアストラムラインやJRの駅があり、交通の利便性に優れた特徴を踏まえてこう呼ぶ。スタジアム周辺には、グルメを楽しむ施設や子どもが遊べる広場なども整備する。

 市と広島県、広島商工会議所、サンフレの4者が昨年11月にまとめた素案では、年間の集客目標をマツダスタジアムと同等以上の220万人に設定。スタジアム単体で、現在のサンフレ本拠地であるエディオンスタジアム(安佐南区)の年間27万人を上回る54万人、周辺施設で166万人を見込む。

 新スタジアム建設地の南側には、コンサートなども開かれる広島グリーンアリーナや旧市民球場跡地もある。市は22年度末に球場跡地にイベント広場を整備する方針で、一帯の回遊性を高めてにぎわいを創出する考えだ。

 スタジアムの建設工事費は約260億円。市と県がそれぞれ44億円を負担し、残りは国の補助金79億円や企業や個人の寄付で賄いたいと、市はそろばんをはじく。

 すでに家電量販のエディオンが30億円、マツダが20億円などの寄付が決まり、広島商議所も10億円を集める。一方、「1対1」とする市と県の費用負担の割合については、県議会内で「県全体への波及効果がないと認められない」との意見が根強い。

 市スタジアム建設部の池田智彦部長は「広島の新たなシンボルとなり広域からの集客が期待できる。県全体に波及効果を生む施設となる」と強調する。県と市は年220万人のうち、市内を除く県内から59万人が訪れると見込んでいる。(新山創)=おわり

 <クリック>新サッカースタジアムの建設計画 広島市、広島県、広島商工会議所の3者が2019年5月、建設に向けた基本方針を決定。20年3月に基本計画を決めた。約8万5600平方メートルの中央公園広場の西側に整備し、3万人規模を収容。全ての観客席を屋根で覆う。広場の東側は、物販やスポーツ施設も視野に、子どもから大人まで集える「広場エリア」とする。


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