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【詳報・克行被告第55回公判】検察側論告<2>被告人が取り仕切り役、信用できる証言

2021/5/1 2:26

「東広島市では、同月、案里からの指示で、元東広島市議会議長を訪問し、元議長に『案里先生が参院選に出馬をいたします。どうぞご支援のほどよろしくお願いします』と伝えた。元議長からは、支持不支持の感触が記載された東広島市議会議員の名簿を頂戴した。その後、元議長には、企業や議員宅への案里の引き回しをしていただいたり、後援会入会申込書や選挙はがきを書いていただいたり、ポスターを貼っていただいたりした。」

「私が各県議会議員や市議会議員らに言った『ご支援のほどよろしくお願いします』は、お願いした日から投票日までの間の案里への集票と投票のお願いである。」

「私は、業務日報の提出又は口頭で、被告人及び案里に、県議会議員や市議会議員らへの訪問状況を報告していた。」「私は、案里から指示を受けて、県議会議員や市議会議員らを訪問したが、被告人ももちろん把握していると思っていた。なぜなら、被告人から重複して指示が下りてこなかったことや、報告も被告人にしていたからである。」

「私は、被告人の指示で、公示前から、砂原先生、豊島岩白先生、三宅先生、藤田博之先生、木山先生、沖宗先生、奥原先生、高山先生、下原先生、番号15、番号16、佐藤一直先生らに対し、案里の印刷物を届けた。印刷物を配布するのは、案里への投票に結び付けるためだった。」

「後援会入会申込書、つまり5名連記は、平成31年4月中旬から配布するようになり、電話作戦や地域によっては票読みに使うために配布していた。」「2連ポスター、自由民主号外及び演説会告知のちらしは、案里の顔や名前を知っていただき、最終的には参院選で投票していただくために配布していた。」「選挙までの期間が短く、その期間に膨大な枚数の印刷物を作っており、紙の質やデザインが今までと比較にならない素敵なものであったことから、被告人及び案里は、それら印刷物を案里を当選させたいという一心で作っていたと思うし、私が県議会議員や市議会議員らを訪問した際に集票のお願いをしていることも分かっていたと思う。」「5名連記は、当選後に後援会の組織作りのための活用を考えてはいたが、本件選挙までは投票に結び付けていく、つまり投票していただくためのものであった。」「短期間に、いろいろな方に、今までに例のない量の印刷物の配布をお届けするということは、集票のお願いであり、選挙活動に値するため、心の中では公職選挙法に違反すると思っていた。」

「私は、被告人から、LINEや口頭や紙ベースで、企業や団体などを回るように指示を受けていた。例えば、令和元年6月21日には、尾道市の特定企業を訪問するよう指示を受け、同月27日には、漁協と内水面漁協の訪問先の他のスタッフへの振り分けを指示された。」

(イ) 番号10証言の信用性及び番号10証言から認定できる事実

番号10は、自己が実際に経験した事実を粛々と証言しているものと認められること、かつては被告人の公設第一秘書であって証言時は案里の公設第一秘書であり、被告人及び案里を不利におとしめる虚偽証言を行う動機に乏しいこと、自らの外回りでの発言や外回りで配布した資料についての証言内容は違法な事前運動を認める内容を含むものと評価でき、自己に不利な事実も真摯に証言していると認められること、被告人が本件選挙における案里の活動の取り仕切り役であったことや後援会入会申込書等の配布目的が本件選挙における案里の当選にあったことについては、前記の番号3の証言並びに後記の番号4及び番号6の証言ともよく整合していること、弁護人の反対尋問にも揺らがずに証言していることなどから、その証言は十分信用できるものであり、証言のとおりの事実が認定できる。

ウ番号4証言についての番号4の証言内容

「平成31年3月10日の緊急合同報告会の後、事務所の状況は、選挙一色だった。」
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