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【詳報・克行被告第55回公判】検察側論告<5>案里の間で共謀成立明らか

2021/5/1 2:27

6 案里が前記高山から被告人からの供与現金の返還の申出を受けた際、平然と返還を拒否するなどしたこと

前記高山は、平成31年4月20日に被告人から本件選挙における投票及び選挙運動の報酬の趣旨で現金30万円の供与を受け、令和元年5月24日に案里にその現金30万円を返還しようとしているところ、その際、案里が驚いたり前記高山に質問したりすることがなかったこと、案里が「人格が違いますから受け取れません」旨言って受領を拒んだこと、前記高山が案里のかばん内に封筒を差し入れると案里がこれを机上に置いて前記高山にもらい受けるよう求めて被告人の行為とあいまって前記高山への現金供与を遂行していることが認められる。

7 小括

以上のとおり、被告人が、本件選挙における案里の当選に向けた活動全般を取り仕切っており、名簿を用いて被告人及び案里と受供与者との関係も考慮しつつ被告人と案里のいずれが現金の供与者となるかを検討した上、自ら現金供与の大半を行いつつ、案里による現金供与分も把握して被告人及び案里による本件選挙における投票及び選挙運動の報酬の趣旨での現金供与の実績を正確に記載したリストを作成管理していたことが認められる上、被告人と案里の間で現金供与について意を通じていたことが推認できる事実や案里が被告人の行為とあいまって現金供与を遂行していると認められる事実もある。

以上からすれば、公訴事実第1の別表番号1ないし4の案里による現金供与について、被告人と案里の間で共謀が成立していたことは明らかである。

被告人及び案里は、「岡崎、平本、下原及び奥原への現金供与について、被告人及び案里は共謀していない。」旨主張しているが、これらの現金供与が被告人及び案里による共謀の上で行われたことは明らかであるから、被告人及び案里の主張は明らかに虚偽である。

第5 公訴事実第1の別表番号5の現金供与についての共謀

被告人は、公訴事実第1の別表番号5の胡子に対する現金供与について、現金供与事実及び供与が本件選挙における投票及び選挙運動の報酬の趣旨で行われたことを認めつつ、自己の単独犯であり案里とは共謀していない旨主張するので、以下では案里との共謀が認められることについて詳述する。

1 胡子及び番号10の証言内容及び信用性

(1) 胡子証言について

ア胡子の証言内容・

「私は、現在5期目を務める江田島市議会議員である。」「被告人と案里とは特に付き合いはなかった。」

「私は、令和元年6月10日、被告人が参院選での案里の支援を求めるために江田島市内の漁業組合回りをした際、被告人やそのスタッフの番号10と会った。」「番号10から案里が参加できる江田島市内の地域行事の紹介を依頼され、同月16日に開催されるカラオケ大会を紹介した。」

「私は、カラオケ大会よりも前に番号10と2人で会うこととなったが、スケジュールが合わず、同月16日にカラオケ大会会場で番号10と会うこととなった。」

「私は、同日、大柿市民センターのカラオケ大会会場に入ったところ、案里がステージにいて自己紹介をして歌を歌っていた。」「案里が歌い終わった後、番号10が私に近寄ってきて、『先生からです』と言って現金が入ったらしき封筒を差し出してきた。」「私は、参院選において私による投票や私の知り合いに対する投票の呼びかけを期待しているのかなと思った。案里にカラオケ大会という会場を紹介したことのお礼かなとも思った。」

「投票の趣旨であれば違法なお金だと思ったが、そのままもらった。」「数日後、封筒の中身を確認して、現金10万円が入っているのを確認し、あまりにも額が大きいので、私への投票の取りまとめの趣旨もあるのかなと思った。」

「番号10や被告人らから領収証の発行を求められず、領収証を発行しなかった。」
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