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【詳報・克行被告第55回公判】検察側論告<7>受供与者は(不起訴約束の)存在を明確に否定

2021/5/1 2:27

(2) B供述の信用性

Bの供述は、自らが犯した被買収罪という犯罪行為を全面的に認める内容であって自己に極めて不利な内容であること、あえて自らの犯罪行為を認める虚偽供述を行ってまで被告人を罪に陥れようとする理由や動機はないこと、全体として自然かつ合理的な内容である上、趣旨の認識に関する供述部分については、同時期に被告人から現金供与を受けた他の受供与者も大半が同様の供述又は証言をしていること、番号2とのやりとりについては実際に体験しなければ供述し得ない内容であることなどから、十分に信用できる。

(3) 現金供与相手方がBであること

ア Bの供述からすれば、(1)被告人は、Bに現金を渡した際、Bから「経費はかかっていますけど、自分持ちじゃけえ、あなたからもらうべきものじゃないけえ、私はそういうことをしてもらう必要はないけえ」と言われたのに対し、「いや、わしの気持ちじゃ、受け取ってくれ」と言ってBを供与相手方とする発言を行っていた一方、その現金が番号2宛てである旨言っていないこと、(2)令和元年6月7日にBが被告人に現金を返還しようとした際、被告人は、Bに対し「是非ともあなたに受け取ってもらわなきゃ困るんじゃ」と言って、B自身がもらい受けるよう求めて、いたこと、(3)被告人は、三矢会の幹部らに対して現金を供与していたところ、Bは、三矢会支部長であったことがそれぞれ認められ、さらに、(4)被告人は、番号2に本件選挙における案里への支援を求めようとして番号2に現金供与を行おうとしたものの、番号2から受領を拒否されたため、番号2の支援者から本件選挙における案里への支援を得るべく、番号2の後援会会長を務めるBに供与を行ったと推認できることからすれば、現金供与相手方がBであったことは明らかである。

イ また、電子データのファイル名が「選対スタッフ支給表」であるリストには、「B30」という記載がなされており、同リストは、被告人が被告人による本件選挙における投票及び選挙運動の報酬の趣旨での現金供与の実績を正確に記載したものであると認められることからすれば、被告人は、Bに対し現金30万円を供与したと認められる。他方、被告人が被告人及び案里による本件選挙における投票及び選挙運動の報酬の趣旨での現金供与の実績を正確に記載したと認められるリスト2通には、供与相手方として番号2の記載はない。

ウ 以上からすれば、被告人がBに対し現金30万円を供与したことは明らかである。

 なお、被告人は、「Bには供与していない。Bに『番号2に渡してほしい」と言って番号2への供与現金を預けたまでである。」旨主張するが、前記事実関係からすれば、被告人の主張が虚偽であることは明らかである。また、被告人は、令和元年6月7日にBに「是非ともあなたに受け取ってもらわなきゃ困るんじゃ」と言ったことは認めた上で、その発言の意味について「あなたが受け取ってくれないと仲立ちしてくれる人がいない、あなたが受け取らなかったらお金は番号2のところに行かない、だからお願いしますと強く言ったのである。」旨の意味不明な説明に終始していることからしても、被告人の主張が虚偽であることは明らかである。

第7 公訴事実第2のうち、元事務長男性ら選挙事務所のスタッフ5名への金員供与につき、各供与が本件選挙における案里への投票および投票取りまとめなどの選挙運動の報酬または本件選挙における案里への投票取りまとめなどの選挙運動の報酬の趣旨で行われたものと認められること

1 各受供与者の供述および証言内容

(1) 元事務長男性の供述および証言内容
(ここまで 1482文字/記事全文 6766文字)

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