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【詳報・克行被告第55回公判】検察側が懲役4年、追徴金150万円求刑「矯正施設内処遇が必須」

2021/5/1 2:27

 第10情状

1 本件の概要

本件は、当選7回の現職の衆議院議員であって本件選挙における案里の選挙運動全般を取り仕切っていた被告人が、本件選挙において案里を当選させるため、犯行全体を首謀し、案里と一部共謀の上、本件選挙における投票および選挙運動の報酬の趣旨で、広島県内の県議会議員、市議会議員、町議会議員および首長、三矢会メンバー並びに選挙スタッフら合計100名に対し、合計2901万7450円もの金員を供与した公選法違反事件である(案里の立候補届出前は、立候補届出前の選挙運動でもあり、案里の立候補届け出後は、いわゆる加重類型である公選法221条3項第2号に規定される総括主宰者による金員供与である)。

2 悪質な犯罪類型であって、厳正な処罰が必要であること

本件のような選挙買収事犯は、本来選挙人の自由な意思により行われるべき選挙を不法不正な利益の享受によって歪曲(わいきょく)しようとするものであり、選挙犯罪のうちでも最も悪質な類型の犯罪である上、本件は、国権の最高機関であって国の唯一の立法機関である国会を構成する議員を選出する国政選挙に際して敢行されたものであって、実際に案里は当選人になっており、わが国の民主政治の根幹を危うくするものであるから、特に厳正な処罰が必要である。

3 被告人は本件犯行全体の首謀者であり、自ら大半の金員供与を行ったこと

本件においては、本件選挙における案里の当選に向けた活動全般を取り仕切る立場にあった被告人が、受供与者の属性、立場および集票力等を勘案して、受供与者の選定や供与金額の決定を行い、本件犯行全体を計画準備した。

その上で、被告人は、大半の受供与者に自ら直接金員供与を行い、受供与者との関係から案里が赴いて現金供与を行った方が自然かつ効果的と思われる相手方4名には、案里に訪問させた上で現金供与を行わせた。

このように、被告人は、本件犯行全体の首謀者であり、かつ自ら大半の金員供与を行っており、その責任は極めて重い。

4 前代未聞の大規模買収事件であること

本件における受供与者は合計100名、供与回数は合計128回と極めて多数にのぼる。そして、受供与者は、背後に多数の支援者を有して有権者の投票行為に影響力を与え得る広島県内の県議会議員、市議会議員、町議会議員および首長ら、地域での選挙運動の取りまとめを行うなどしていた三矢会メンバーら並びに自己が全般を取り仕切っていた選挙運動の選挙スタッフと多岐にわたっている。
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