地域ニュース

著名アニメ作家の原点 津和野駅(島根県津和野町)【いわみがたり 鉄道編<3>】

2021/5/2 21:17
津和野駅前に展示されている蒸気機関車を前に、大塚さんについて語る堀センター長

津和野駅前に展示されている蒸気機関車を前に、大塚さんについて語る堀センター長

 「その瞬間といっていいでしょう。頭の中が機関車でいっぱいになってしまったのです」。3月に89歳で亡くなった、島根県津和野町出身のアニメーター大塚康生さんが自伝「大塚康生の機関車少年だったころ」で振り返っている。

 小学1年生ごろ、戦地に赴く兵士を見送るために山間部の集落から訪れた津和野駅(同町後田)で、初めて機関車を見た。以来、一日中眺めるように。自然とスケッチを始めた。

 その後、日本を代表するアニメーターになり「ルパン三世」シリーズや「未来少年コナン」などを手掛けた。作品中で度々、機関車などのメカをいきいきと描写。「蒸気機関車の細部を描いているうちに、わかりやすい“動き”の理屈を分析的に見る眼が養われた」と、自伝で分析している。

 津和野駅は大塚さんの歩みの原点である。現在、近くの町日本遺産センターで開催中のパネル展では、少年時代に描いた精密な機関車のスケッチが見られる。堀重樹センター長は「鉄道に刺激を受け、新たな才能が津和野から旅立ってくれたら」と期待する。

 JR山口線となった今も蒸気機関車(SL)が走り、駅には運行を終えた「D51―194」が展示されている。(松島岳人)

 <メモ>津和野駅では毎年、蒸気機関車(SL)の観光列車「やまぐち号」が運行されているが、ことしは修理・点検中のため代わりにディーゼル機関車(DL)が走る。9月20日まで、夏休みなどの連休を中心に新山口―津和野間を1日1往復する。パネル展「伝説のアニメーター大塚康生」は日本遺産センターで6月27日まで開催。午前9時〜午後5時。月曜休館だが5月3日は開館し、同6日が休館。同センターTel0856(72)1901。


この記事の写真

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

同じ日のニュースの記事
一覧