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ギフチョウ、22年春も飛んで 岩国市周東、生息地復活へ前進

2021/5/2 21:17
卵が見つかったカンアオイを観察する南谷会長(左)と橋本光郎さん

卵が見つかったカンアオイを観察する南谷会長(左)と橋本光郎さん

 岩国市周東町の森林体験交流施設「丸太村」周辺で、4月に放されたギフチョウが産んだ卵を、同町の住民グループなどが確認した。ギフチョウは国の絶滅危惧種で、山口県内が生息域の西端。生息地の復活を目指して飼育してきた住民たちは「来年の春、舞ってくれれば」と期待する。

 卵は直径1ミリ程度で、薄い黄緑から白に近い色。丸太村周辺の森林に自生するカンアオイの葉に産み付けられていて、1カ所につき8個前後ある。複数の葉で見つかり、一部はふ化し、黒い幼虫になっている。

 周東里山の会の橋本順子さん(72)が4月23日、森林の手入れ中に気付き、環境整備に取り組む「周東古代ハスの会」の南谷多賀男会長(72)たちに連絡した。

 南谷会長によると、丸太村周辺にはかつてギフチョウが生息していたという話がある。橋本さんの夫光郎さん(79)が数年前、幼虫の餌になるカンアオイが自生しているのを確認した。古代ハスの会は2018年11月から、近郊に由来するギフチョウを飼育。今年4月10日、成虫16匹を初めて放した。南谷会長は「最高の喜び。順調に育ち、生息地復活に向けた第一歩になれば」と話す。

 広島市森林公園こんちゅう館(広島市東区)によると、昔いたとされるギフチョウと今回のギフチョウは同じ個体群と考えられ、生態系に影響はないという。生息地の復活には「絶滅要因の分析と現状の観察を続けながら、カンアオイを適地に移植するなど餌の確保を」と指摘している。(和田木健史)


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  • 丸太村周辺で確認されたギフチョウの卵

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