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「生理の貧困」コロナで深刻 中国地方、悲痛な声に無償配布の輪も

2021/5/3 22:59

来場者(右)に生理用品を手渡すハーモニーネット未来のスタッフ(笠岡市)

 経済的な理由で生理用品を買えない「生理の貧困」に悩む女性が、中国地方でも少なくない。コロナ禍で収入が減って深刻化し、NPO法人などが生理用品を無償配布する動きも出ている。若者の5人に1人が購入に苦労したとの調査もあり、悲痛な声が聞こえてくる。

 4月下旬、笠岡市であった一人親や貧困家庭向けの物資の配布会。小学生2人を育てるシングルマザー(30)が食品とともに受け取ったのは、生理用のナプキンだ。女性は「本当に助かります」と笑顔を見せた。「私の収入ではナプキンにまで手が回らなくて。1袋数百円でも捻出するのは大変」と打ち明けた。

 コロナ禍でパートを減らされ、収入は半減した。母子手当を含めても月10万円ほどだ。生理用品はいつも特売品。夜用の大きめのものは高いので買うのを控え、出血が多い日は前後に二つ並べて使ってしのぐ。節約のため、長時間同じナプキンを付けっぱなしにしてかぶれたこともある。「衛生面は心配だけど仕方なかった」と話す。

 ▽食や光熱費優先

 もう一人の女性(52)は、高校1年の娘(15)のためにナプキンを持ち帰った。昨年、夫がリストラに遭い、一家は預貯金を切り崩して生活する。「娘には申し訳ないけど、食べ物や光熱費を優先しないと生きていけません」

 物資の配布会は、笠岡市の認定NPO法人「ハーモニーネット未来」が開いた。ナプキン70袋を食品などと一緒に60世帯以上に配った。増岡衣里副理事長(52)は「政治が男性中心だからなのか、見過ごされてきた問題。困っている人がどれだけいるのか、活動を通じて明らかにしていきたい」と力を込める。

 生活に困窮する人にとって生理用品の負担は大きい。専用の下着や生理痛を抑える鎮痛剤も含めると費用はさらにかさむ。海外では非課税化や学校で無償配布する動きが広がっているが、日本では公的支援が乏しい。

 ▽若者5人に1人

 大学生らでつくる任意団体「#みんなの生理」が3月に公表した調査結果によると、高校生や大学生ら計671人のうち、過去1年間に経済的理由で生理用品の入手に苦労した人は20・2%で5人に1人に及んだ。代替品を使った人は27・1%。36・9%が交換頻度を減らしたと回答した。

 広島市の女子学生(22)もその一人。昨春の緊急事態宣言中に飲食店のバイトが大幅に削られ、生理用品が買えなくなった。県外で飲食店を営む実家からの仕送りも止まり、収入が1万円を切る月もあった。預金から家賃と食費を出すのが精いっぱいだったという。

 普段から出血が多く生理痛も重い。トイレットペーパーを重ねたナプキンを自作し、テープで下着に固定したが、すぐに経血が付着したり横漏れしたりする。汚れてもいいように高校時代の体育ジャージーを着た。ティッシュを小さく丸めてタンポン代わりにしたこともある。

 「惨めでした」と振り返る。当時よりバイト代は増えたがコロナ感染が再拡大する中、収入が断たれる不安は残る。最近は生理痛や月経前症候群(PMS)用の鎮痛剤を我慢し、肌に合わなくても一番安いナプキンを選ぶ。「空腹は訴えられても、恥ずかしさもあって生理用品が買えないとは言いにくい。助けを求めてもいいんだという空気が広がってほしい」と望んだ。(ラン暁雨)


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