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広島県、軽症者向けホテル1棟の受け入れ断念 地元住民が反発 稼働しないまま賃料支払いへ(2020年5月11日掲載)

2020/5/11 21:50

 広島県が、新型コロナウイルス感染者のうち軽症や無症状の人を広島市内のホテル1棟で受け入れる計画を断念したことが11日、分かった。事前説明が不十分として地元住民の反発を招き、稼働できないまま、13日で1カ月の借り上げ契約期間を終える。県は今後、賃料3960万円を払う。

 県は4月11日、三次市でクラスター(感染者集団)の発生を確認した。限りある病院のベッドを重症者へ優先的に割り当てるため、軽症や無症状の感染者の療養先として活用できる宿泊施設の確保を急いだ。

 この結果、事前調査で協力の意思を示した広島市内のホテル1棟を選び、大半の200室を3960万円で1カ月借り上げる契約を14日に結んだ。館内の区分けなどをし、18日までに受け入れを始めると決めた。

 「急を要する案件」として契約前に地元の町内会幹部の理解を得た一方、近くの住民向けの説明会は16日に初めて開催。18日にも再び開いたが、合意を得られなかったという。出席した住民男性は「唐突に感染者を受け入れると言われ、驚いた。県の丁寧な姿勢が欠けていた」と憤った。

 県は21日、県内の別のホテルの130室を軽症者用に確保して受け入れを始めた。一方で広島市内のホテルは住民の理解を得るめどが立たず、今月13日の契約期間満了が迫ったため、受け入れ断念を決めたとしている。賃料の半分は国の臨時交付金を充てるという。

 県健康福祉局の田中剛局長は「感染者を受け入れる病床不足による医療崩壊を防ぐため、『空振り』覚悟でホテル選定を急いだ。結果的に受け入れは実現しなかったが、危機管理として必要な経費だった」と説明する。広島市内のホテルの広報担当者は「県が施設名を公表しておらず、コメントできない」としている。

 県によると、受け入れ中の県内のホテルには今月10日時点で10人が滞在している。500室の確保を目標に、他の宿泊施設と交渉を続けているという。(樋口浩二) 

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