地域ニュース

古代史研究家・故関和彦さんたたえ石碑 出雲の一畑薬師、市民グループ建立

2021/5/4 21:08
顕彰碑を囲む飯塚管長(左)と木幡事務局長

顕彰碑を囲む飯塚管長(左)と木幡事務局長

 半世紀にわたり島根県に通い、「出雲国風土記」などの研究を重ねた古代史研究家の故関和彦さん(1946〜2019年)の功績をたたえる石碑が、出雲市の一畑薬師にお目見えした。松江、出雲両市をまたぐ島根半島の神社を巡る信仰儀礼「四十二浦巡り」をもり立て、関さんを研究座長とした市民グループが寄付で建て、「出雲古代史研究の一里塚にしたい」と喜んだ。

 碑は高さ約1・5メートルで、参道庭園に建てた。「神々の呼吸する出雲 その気配を感じたい」と、関さんの言葉を著書から引用して刻み、碑裏側には顔写真や経歴を記した。県内外の研究者たち94人からの寄付金約120万円を充てた。

 関さんは東京都出身。早稲田大大学院文学研究科の修士課程を修了し、国学院大で歴史学博士となった。24歳で調査のため島根を訪れて以来、中・高校教諭を務めながら、72歳で亡くなるまでフィールドワークを重視した研究姿勢を貫いた。出雲地方をくまなく巡り、06年に発刊した注釈書「出雲国風土記註論」は1277ページにも及ぶ大著で、風土記神話の新たな解釈を打ち出した。

 島根の人口減少や少子高齢化を懸念していた関さん。風土記神話と密接な四十二浦巡りに着目し、観光振興に生かそうと、島根半島四十二浦巡り再発見研究会を立ち上げた。研究座長としてバスツアーや講演会を開くと毎回、大盛況だったという。同会の木幡育夫事務局長(71)は「島根を愛し、地元に愛される人だった」と振り返る。

 幕末には四十二浦巡りの結願(けちがん)の地とされた一畑薬師で4月上旬に除幕式があり、碑に筆跡を刻んだ飯塚大幸管長たち34人が、関さんをしのんだ。飯塚管長は「先生の研究を礎に、さらに古代出雲の研究や島根半島の観光が盛り上がってほしい」と話した。(寺本菜摘)

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

同じ日のニュースの記事
一覧