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「経カテーテル大動脈弁治療」専門施設に広島市民病院認定 透析患者の手術可能に

2021/5/9 20:56
TAVIを実施する西岡部長(左から4人目)たち(広島市民病院提供)

TAVIを実施する西岡部長(左から4人目)たち(広島市民病院提供)

 広島市民病院(中区)が、カテーテルと呼ばれる細い管で心臓に人工弁を入れる特殊な手術「経カテーテル大動脈弁治療(TAVI=タビ)」の専門施設に認定された。これまで対象外だった透析患者にも、この手術を行えるようになる。広島県内に同様の施設はなく、同院はニーズが高いとみる。

 手術の対象は、心臓の血流を調整する弁が正常に動かない大動脈弁狭窄(きょうさく)症の患者。長年、胸を切開し、心臓を止めた状態で人工弁を取り付ける治療が主流だった。TAVIは人工弁を太ももの付け根などからカテーテルで挿入し、心臓に運ぶ。2013年に国内で保険適用となった。体への負担が大きい開胸手術が避けられ、高齢者でも受けやすい。

 市民病院は15年12月にTAVIを開始し、通算380件を成功させた。今年1月、関連の学会でつくる協議会から専門施設の認定を受けたことで、手術のリスクが特に高い透析患者にも施術できるようになった。先月初めて90代と70代の患者2人に実施し、いずれも術後の経過は良好という。

 透析患者は、大動脈弁狭窄症の原因の一つとされる動脈硬化が進みやすく、人工弁を入れる必要がある人が一定にいるとされる。ただ、中国地方には透析患者にTAVIをできる施設が他に、心臓病センター榊原病院(岡山市北区)と倉敷中央病院(倉敷市)しかない。市民病院循環器内科の西岡健司部長は「県内外の患者に新たな治療の選択肢を提供し、この病気で亡くなる人を減らしたい」と話す。(田中美千子)


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