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コロナ禍の夏、熱中症に注意 外出控え・マスク着用が発生要因に(2020年5月17日掲載)

2020/5/17 18:52

 今月に入り中国地方では、最高気温が25度以上の「夏日」や30度以上の「真夏日」になる日が出てきた。今年は特に熱中症の危険性が高いという。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出控えで運動不足だったり、マスクを長時間着けたりする生活も原因となるようだ。いつもより早めから予防の基本を着実に実行したい。

 ▽室温28度で冷房/水分補給小まめに

 熱中症対策をインターネットを通じて全国に呼び掛ける「熱中症予防啓発ネットワーク」代表で堺市立総合医療センターの救命救急医、犬飼公一医師(33)は、今年ならではの二つの発生要因に注意を促す。

 一つ目は外出控えだ。通常、人は屋外で日光に当たることで体が徐々に暑さに慣れ、高温に強くなる。今年は外出できない日々が続くために、暑さへの慣れが難しい。運動不足で体力も低下することもかかりやすくする。

 二つ目は、マスクの着用だ。息が持つ熱をうまく外に発散することができずに体内にため込んでしまい、体温が上がってしまう。また、マスクをしていると口の中の湿度が保てるため、喉の渇きを感じにくい。水分補給を忘れると、いつの間にか脱水が進む。この体温の上昇と脱水が、熱中症の引き金になるという。

 特に注意が必要なのは、熱中症にかかると重症化しやすい高齢者だ。犬飼医師は「新型コロナの影響で人の交流が減っている今、1人暮らしの高齢者は熱中症で倒れたときに発見が遅れかねない」と心配する。

 犬飼医師は、室温が28度を超えたら暑さを感じなくても冷房を必ずつけるよう助言する。外出先でマスクを着ける場合は、喉が渇かなくても、小まめな水分補給を心掛ける。起きている時間帯に水をコップ6〜8杯飲むのが理想だ。

 「熱中症にかからないように予防することは、新型コロナ対応に追われる医療機関の後押しにもつながる」と犬飼医師は指摘する。熱中症の患者は高熱のため、新型コロナ感染の疑いを否定できない。搬送先を見つけるのに時間がかかる上、検査や治療にも配慮が必要だ。「医療機関は物資も人も不足しており、一人一人が早めの熱中症対策を心掛けてほしい」と訴えている。

 ▽汗をかく体づくり大切

 熱中症を予防するためのトレーニングを、広島大大学院人間社会科学研究科の長谷川博教授(48)=運動生理学=に聞いた。

 「汗をかきやすい体づくりが大切です」と長谷川教授は話す。暑くても汗を上手にかけると、体温を低く抑えて熱中症を防ぐことができるからだ。

 本来は少し暑い環境で運動を繰り返すことが有効だが、外出が難しい今は暑くない室内でのトレーニングもいい。ラジオ体操やストレッチ、動画投稿サイトのユーチューブを見ながらのヨガなどに、汗ばむまで取り組もう。

 長谷川教授は、自宅の階段や段差を使った踏み台昇降運動や、テーブルに手を添えて転倒予防しながら、いすから立ち上がることを繰り返す動きも勧める。トレーニング中はしっかりと水分補給をするのが大切だ。コップ1、2杯の水やスポーツ飲料を事前に飲む。運動中も小まめに口にし、終了後も十分に取る。

 外出を満喫できる時期が来ても行動は慎重にしたい。「自宅でトレーニングをしていた人でも、外での運動量や時間は徐々に増やしましょう」と助言している。(治徳貴子) 

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  • 犬飼公一医師
  • 「熱中症予防に踏み台昇降運動も有効です」と話す長谷川教授(東広島市)

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