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【バスケットボール】戦う形、最後まで作れず ドラフラ、9勝46敗の今季総括

2021/5/10 23:10
持ち味であるシュート力を発揮し切れなかった田中(右)=8日の信州戦

持ち味であるシュート力を発揮し切れなかった田中(右)=8日の信州戦

 バスケットボール男子Bリーグの広島は、初めて挑んだ1部(B1)の舞台で9勝46敗と記録的な負け越しを喫し、西地区最下位に終わった。昨季2部(B2)を圧倒的な強さで勝ち上がった勢いは通じず、戦術に迷い、監督が解任された。個々の能力も発揮し切れず、「B1の壁」にぶち当たった今季を総括する。

 ▽戦術面に迷い、持ち味見失う

 チームの戦い方が定まらず、自らの力を信じ切れなかったことが、敗戦に直結した。昨季から取り組む選手の能力を生かした戦術は、個々のレベルが高いB1では通用しなかった。堀田監督は打開策を示せず、練習では選手の主張を受け入れて相手対策が二転三転したこともあった。指導がぶれたことでチームに一体感は生まれず、1試合平均86・8失点と守備が崩壊。昨年11月〜今年1月にはリーグ歴代3番目に長い17連敗を記録した。

 クラブは2月、堀田監督を解任。育成年代を指導していた尺野監督の復帰で立て直しを図ったが、組織的に戦う形を最後まで確立できなかった。

 B1のレベルの高さに、選手も持ち味を見失った。昨季不動のスタメンだった田中や古野は、シュートを打つ積極性や判断力を欠いた。朝山主将は「全ての能力が劣っているわけではないのに、悩んで誰かに頼ることを繰り返し、個人任せのバスケになった。失うものはないはずなのに、気持ちの強さが足りなかった」とメンタル面の弱さを指摘した。

 戦力も十分ではなかった。特に苦しんだのが司令塔役のポイントガード。古野はスピード、岡本は攻撃の組み立て、田渡はシュート力に課題があり、安定しなかった。尺野監督はたびたび、「ポイントガードが試合をコントロールするような練習をしないといけない」と苦渋の表情を浮かべた。また、先発組がベンチに下がると一気に突き放されるケースが目立ち、選手層の薄さを露呈した。

 クラブはシーズン中に外国人選手の補強を試みたが、新型コロナウイルスの影響で獲得には至らなかった。さらに所属選手の逮捕、契約解除で戦力がさらに落ちた。長身選手を欠き、弱点のリバウンドは改善されなかった。

 経営面での新型コロナの影響を踏まえ、来季もB2降格はない。広島は今季の反省から、チームを大きくつくり直す方針。岡崎ゼネラルマネジャー(GM)は「同じ陣容では来季も厳しい。中長期的に戦術の積み上げも必要。やるべきことは多い」。B1で対等に戦うには、フロントを含めたチーム改革が不可欠となる。(矢野匡洋)  


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