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江津の有福温泉にイタリア料理店 広島の業者が再生事業に参画、試験営業開始

2021/5/11 21:17
イタリアンレストランを紹介する原田取締役(右)たち

イタリアンレストランを紹介する原田取締役(右)たち

 観光客の減少が課題となっている有福温泉(江津市)の温泉街の空き店舗に、飲食サービスのイベントス(広島市中区)がイタリアンレストランを出店した。宿泊と飲食の場を分ける「泊食分離」を掲げる江津市などの温泉再生事業に参画し、飲食店が乏しい温泉街の集客力向上を目指す。今月末まで試験営業し、改装期間を挟み10月ごろに本格オープンする。

 昨夏に営業をやめた商店の建物を借り、現在は約20席でパスタやコーヒーなどを提供している。本格オープン後は80席程度まで広げ、浜田漁港で水揚げされた魚介類を使ったメニューを出す計画でいる。

 市は本年度の一般会計当初予算で有福温泉の再生に8300万円を計上し、民間事業者の新規出店や旅館の魅力向上を支援する。家族経営の旅館の負担を減らすため「泊食分離」をコンセプトに掲げており、同社が飲食機能の中心を担う見通しという。市地域振興課は「再生の鍵になる進出。将来を見据え、若い顧客層を引きつけられる期待もある」とする。

 同社は広島市安佐南区で産直市や地元の野菜を使った飲食店を運営している。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、都市部から離れた地域の活性化に関わる事業を探っていたところ、金融機関を通じ有福温泉の取り組みを知ったという。

 当面の営業時間は午前10時〜午後8時。6月以降に改装期間を設ける予定という。原田邦子取締役は「温泉に来る人が増え、地元の人が元気になる手伝いをしたい」と意気込んでいる。(下高充生)

 <クリック>有福温泉の現状 県の統計によると、新型コロナウイルスの影響を受ける前の2019年の入り込み客は4万4430人で、10年前の9万7719人から半分以下になった。昭和初期に約20軒あった旅館も現在は3軒まで減少。他の温泉地との競争やレジャーの多様化に加え、旅館など4軒が焼失した火災(10年8月)や記録的豪雨(13年8月)に見舞われた影響もある。 

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