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PCR予約なお停止 広島県事業所向け、感染拡大で

2021/5/12 22:54
PCR検査容器を配布し、検体を回収する県庁の会場に列をつくる人

PCR検査容器を配布し、検体を回収する県庁の会場に列をつくる人

 広島、福山両市にある従業員10人以上の全事業所を対象にした新型コロナウイルスのPCR集中検査で、広島県は12日、広島市分の予約の受け付けを一時停止した。県内での感染急拡大に伴い接触者たち優先的に検査する対象者が増えたため。検査需要も高まる中、感染者を早く把握し、抑え込むための戦略の一つだけに対応を急いでいる。

 県によると、県ホームページ(HP)での予約は、広島市中、東、安佐北、安芸の4区向けが11日に、南、西、安佐南、佐伯の4区向けが12日に、それぞれできなくなった。再開のめどが立たない中、県の担当者は「不便を掛けて申し訳ない」と陳謝し、対応の検討に追われた。

 県は4区の受け付けが止まった11日の段階では、申し込みの集中でシステムに不具合が生じた可能性を示唆していた。しかし、県内で新規感染者が急増して優先して検査すべき人が増えたため、12日になって、全事業所の集中検査に振り分ける余裕がなくなってきたと、停止を判断した。

 県は当初、広島市で20万人、福山市で8万人の受検を見込んだ。唾液の検体を回収するのは10〜28日の19日間で、1日当たり約1万5千人を検査する計算となる。県の検査能力は1日約5千回だが、全事業所の集中検査は無症状者を想定しているため、1回で複数の検体をまとめる「プール方式」を活用すれば対応できると見込んだ。

 一方、感染者と接触した人や医療機関を受診した人はプール方式ではなく、1検体ずつ検査する。感染者の急増で、これらの優先的な検査対象者が増え、事業所向けに振り分けられる検査の枠が目減りした。県幹部は「想定以上に感染者が増えた」と明かした。

 県は感染拡大防止へ徹底的な検査の重要性を説き、検査能力の拡大を進めてきた。13日からの福山市向けの予約は予定通りとしている。ただ、感染状況の悪化で検査需要が増した場合、「早期発見で抑え込む」という県の基本戦略は、根本から揺らぎかねない。

 希望者に無料で検査キットを配り、検体を回収する県庁の会場では12日午後、雨の中、約40人が並んでいた。中区の女子専門学校生(20)は「毎日のように100人を超える感染者が出ていて心配だから受けに来た。こんなに待っているとは」と驚いていた。(宮野史康) 

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