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「まともな営業いつ」 広島にも緊急事態宣言、飲食店は経営への打撃懸念

2021/5/14 22:57

緊急事態宣言を前に、たるに残った生ビールとハイボールの量を確かめる坂本さん=広島市西区(撮影・荒木肇)

 「いつになったらまともに営業できるのか」―。新型コロナウイルスの緊急事態宣言の対象に広島県が急きょ決まった14日、県内各地の飲食店などに波紋が広がった。県は県内全域の飲食店に、酒やカラオケ設備を提供しないよう要請する。店主たちは経営へのさらなる打撃を懸念し、一向に先を見通せない現状に翻弄(ほんろう)される。

 「酒が出せないなら、夜の営業は難しい」。広島市西区の飲食店「kitchen YOSHIKI」のオーナーシェフ坂本叔樹さん(54)は嘆く。昨年からのコロナ禍で売り上げは激減。宣言期間が始まる16日から夜の営業を取りやめる予定だ。「自分たちで飲むしかないかもしれない」。生ビールのたるを見つめ、声を落とした。

 昨年12月〜今年2月の県の集中対策で、営業時間短縮などの要請対象は広島市内の飲食店だった。今月12日に始めた対策は、流川・薬研堀地区(中区)にさらに絞り込んでいた。だが緊急事態宣言を受け、県内全域へ一気に拡大する。

 西区の「カラオケ喫茶詩人(うたびと)倶楽部」の高尾佳津依店長(72)は「流川・薬研堀地区から流れて来る人も増えていたので、感染が不安だった。少しほっとした」と打ち明ける。

 広島市外の店には戸惑いが広がった。福山市の居酒屋「四季百彩 〓菖蒲(きしょうぶ)」の大畑亮さん(34)は「酒を提供するなと言うのは、営業するなと同じ意味だ」とため息をつく。地魚の刺し身などが売りで、テークアウトは難しい。「感染再拡大の繰り返し。来年まで店が続けられるかどうか」

 呉市のJR呉駅近くの商店街。人通りが減る中、飲食店「山崎家」では自主的に営業を縮小するなどしてやりくりしてきた。店主の河野元春さん(60)は「突然のニュースに驚いた。従業員がいるから、休業という選択肢はない」と頭を抱えた。一方、三次市の焼き鳥店店主の大岩豊さん(45)は「要請に従わなければ長引くだけだ。粛々と応じる」と受け止める。

 「この状態がいつまで続くのか。補償はどうなるのだろう」。東広島市で「カラオケ喫茶かなりあ」を営む吉田秀子さん(71)は不安を隠せない。休業してもカラオケの通信費などがかさむという。

 飲食店の取引業者もさらなる影響を危惧する。県内をはじめ、東京、大阪の飲食店向けに酒を販売する酒商山田(南区)の山田淳仁社長(62)は「一番分かりやすい手段として『酒』なのだろう。昨年から売り上げの落ち込みが続き、大変厳しい。何とかもがきながら、新たな策を講じていきたい」と前を見据える。 

 【お断り】〓は「七」を三つ書く漢字ですが、JISコードにないため表示できません。


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