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校則見直し通知3割弱 全国教委アンケート 頭髪や下着の不合理規制、割れる対応

2021/5/16 23:05

 頭髪や下着の色を規制するなど、プライバシーや人権に関わる不合理な校則が問題化する中、全国の都道府県と主要市区の計99教育委員会のうち、2017年度以降、各学校に校則見直しを求める通知を出したのは3割弱の28教委にとどまることが16日、共同通信社のアンケートで分かった。「検討中」を含めても計39教委と4割に満たなかった。

【みんなの校則データベース 広島県内公立高校版】

 文部科学省は「社会の常識、時代の進展など」に応じて校則を絶えず見直すべきだとしているが権限は校長にあるとされる。17年、大阪府立高の生徒が地毛の黒染めを強要されたとして提訴したのを機に各教委に問題意識が広がっているものの、迅速な見直しを後押しする通知発出などの対応には、ばらつきがあることが浮き彫りになった。

 中国地方では、10教委のうち通知を出したのは広島県教委だけだった。同教委は「社会情勢や保護者の意識の変化、多様性の大切さを考慮し、見直すよう各校に指導してきた」とする。島根県教委と山口市教委は通知を「検討中」とした。

 通知を出す予定がないと回答した教委は「各校が実情に合わせて校則を適切に定めており、現段階では見直しを求める必要性が認められない」(福島県教委)、「研修などで不断の見直しを啓発している」(京都府教委)などとしている。

 教職員による点検行為が人権侵害につながりかねないと指摘されている下着(肌着)の色指定の校則を巡り、実態調査したと回答したのは39教委。少なくとも計392校が指定していた。

 生来の髪色などを申告させる「地毛証明」については約3割の34教委が調査し、少なくとも計277校が提出を求めていた。県立高43校で地毛に関する校則を確認した神奈川県教委は「事実誤認による指導を未然に防ぐため」と説明した。

 広島県教委は県立高の実態について、47校が下着の色を指定し、19校が地毛証明の提出を求めている、と明らかにした。

 佐賀県教委は20年3月の通知で、校則見直しの視点に「人権の保障」を挙げた。同4月時点で管轄する14校に下着の色指定、3校に地毛証明の校則があったが、1年後に全て廃止を確認した。

 通知を出した28教委のうち25教委は、見直しに際し児童生徒や保護者の意見を聞くよう要請。一方、校則をホームページなどで公開するよう求めたのは12教委だった。

 校則に詳しい後藤富和弁護士は「全国で見直しの機運は高まっている」と指摘。文科省の19年度の調査では「学校の決まりなどを巡る問題」が理由で不登校になった児童生徒は5千人を超えており「学校に行きづらい現状を放置せず、人権侵害の恐れがある校則は積極的に見直しを求めるべきだ」と話した。

 ≪アンケートの方法≫4月、全国の都道府県と政令指定都市、都県庁所在市区の計99の教育委員会にメールで送信し、全ての教委から回答を得た。都道府県教委は管轄する主に高校に対し、市区教委は主に小中学校に対し、2017年度以降に(1)下着(肌着)の色指定(2)生まれつきの髪色などを申告させる「地毛証明」の提出―について校則、生徒指導規定の実態を調査したかどうかや、校則見直しを求める通知を出したかどうかなどを尋ねた。

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