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廿日市市が阿品台野球場改修を中止 地元住民の反対強く

2021/5/17 21:41
阿品台野球場

阿品台野球場

 廿日市市は、市が進める女子野球タウン構想に関連し、阿品公園内にある阿品台野球場(同市阿品台)を改修する事業の中止を決めた。事業を提案し、事業費を出すとしていた地元企業ダイサンも取り下げを表明。地元住民の反対の声が強く、3月の発表から2カ月で軌道修正を迫られる事態となった。15日にあった地元説明会で松本太郎市長が説明した。

 球場改修の提案については、3月5日、市と全日本女子野球連盟が女子野球タウンの協定を締結するのに合わせて初めて公表。建築資材を製造・販売し、登記上の本社を阿品台に置くダイサンが来春、実業団の女子野球チームを発足させ、同球場を借りて本拠地にする構想を同時に発表した。

 提案では、グラウンドに人工芝を張る▽更衣室やトイレを整備する▽(周辺の樹木を伐採して)駐車場を拡張する▽飲食、遊具、バーベキュースペースを設ける―などが示されていた。ダイサンは事業費を出す計画だった。

 一方、野球場では毎日50人以上が集まるラジオ体操が開催されるなどしており、地域住民から「地元説明がなく一方的な計画だ」「野球場を含む阿品公園は現状のままでいい」などと反対する声が出るようになった。「球場を新しくしてほしい」との声もあったものの、「チームが優先されて住民が自由に使えなくなるのでは」と疑問の声も出て、チラシ配布などの反対運動が盛り上がった。

 阿品台中体育館で15日あった説明会では、新型コロナウイルス対策に伴う緊急事態宣言のため急きょ開催を1日前倒ししたにもかかわらず、事業に反対する住民を中心に約270人が参加した。

 出席した松本市長や市幹部、東京からリモート参加したダイサンの峠元(たおもと)幹也社長が、野球場改修は決定事項でなく、詳細について住民の意見を聞いて協議する段階だったと陳謝した。その上で、松本市長は「住民不在のまま事業が進むことはない。阿品台での事業は中止する」と正式に表明。ダイサンの峠元社長も「構想を取り下げる」と話した。

 説明会に参加した男性(70)は「30年も慣れ親しんだ公園、球場を何の説明もなく改修するのに不安があった。行政はしっかりしてほしい」と注文。元住民の女性(68)は「このまま進んでいたら大変だった。中止は当然」と話した。一方、「整備にお金を出す企業はない。話を聞くべきだった」と話す住民もいた。

 市は今後、市内の他の地域でダイサン女子野球チームが活動できるよう調整を進める。(永井友浩)


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  • 阿品台野球場の改修中止を表明した住民説明会

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