地域ニュース

【詳報・克行被告第56回公判】最終弁論<20>十二分に社会的制裁受けた

2021/5/19 3:07

 4 政治家として社会に貢献してきたこと

 被告人は、広島県議会議員として約2年、その後、国会議員として20年以上にわたり、正に日本の政治を担い、社会に貢献し続けてきたもので、落選中も、地元に尽くしながら、自らの政治信条を貫き、国民生活や日本の国益を守るために努力を重ねてきた政治一筋の人間である。人生のほぼ半分を市民・県民・国民のために捧げてきたといっても過言ではない。

 度重なる集中豪雨等により地元で甚大な被害が発生すれば、直ちに国に対して救助・救援を求め、地元の声を聞きながら、一日も早い復旧・復興を目指して汗をかいて、復旧・復興のための法律の制定に尽力し、政府与党の要職を務めながら、内政の円滑な遂行や日本の国益を守るための国際協力の確立などに尽力し、外交上日本が難しい立場に置かれれば、それまで培った知見・人脈等を頼りに問題の解決に奔走するなど、公判廷での数々の証言を引用するまでもなく、被告人が長年にわたって、陰に陽に、広島県や日本の発展に尽くしてきたことは紛れようもない事実であり、政治家としての大いなる功績である。

 だからこそ、派閥に所属せずとも、7回も当選を重ねることができたのであり、それはすなわち、20年以上にわたり、地元有権者の支持を受け続けてきたということである。

 また、被告人及び案里との古くからの知人であり、科学審議官などを歴任したm氏が証言したとおり、被告人は、科学技術、宇宙開発分野という、票にも結び付かず、政治資金の獲得にも有益とは言えない分野についても、国家の将来を考えて真剣に取り組んできたのであり、そのような真摯な政治活動をしてきた点についても高く評価されるべきである。

 被告人の刑責を判断するに当たっては、長年にわたり、被告人が国家国民、広島県民のために政治家として粉骨砕身してきたことも考慮されるべきである。

 5 長期間の身体拘束を受けたこと

 被告人は昨年6月18日に逮捕されて以降、259日間、約9か月の長きにわたり身柄拘束を受け、接見禁止が付される中、声を失い施設に入居している実父を見舞うこともできず、関係者から隔離された生活を余儀なくされた。

 その間、被告人は、公職選挙法に規定する百日裁判の趣旨を尊重し、証拠の検討等審理に向けた準備がままならない中でも真に裁判に臨んできたものである。

 途中、弁護人を解任したことから約3週間にわたり審理が停止したが、再開されて以降は、集中的な期日指定にも積極的に応じた上、相当数の検察官請求証拠に同意し、証人尋問期日を大幅に減らすなど、迅速な訴訟進行に協力してきたものであって、その結果、これだけ多数の公訴事実でありながら1年足らずで判決まで至る運びとなった。これもまた、本件に真摯に向き合う被告人の姿勢の表れと言える。

 6 議員辞職し、社会的制裁を受けていること

 被告人は、今和3年4月1日、衆議院議員を辞職した。

 現職の国会議員でありながら、公職選挙法に反する行為に及び、県政の混乱と深刻な政治不信を招き、多くの支持者・関係者の信頼を裏切った政治的責任・社会的責任、そして道義的責任を取るためである。

 自らの過ちによるものとはいえ、国民による審判を受けずして、志半ばで職を辞することについてはじくじたる思いがあり、改めて愚行を深く悔いているところである。

 加えて、被告人は、本件が報道され始めてから今日に至るまで、間断なく偏頗的・一方的な見方による批判と苛烈な誹謗中傷にされてきたために、天職としていた議員活動も十分に行えず、自由な外出すらできなくなった不自由な生活を強いられてきたのであって、公人であったことを最大限に考慮したとしても、十二分に社会的制裁を受けたと言える。

 7 再犯のおそれがないこと

 被告人は、公判廷において、議員辞職を明らかにするとともに、二度と選挙に立候補しないことを明言した。

 被告人の政治家としての経歴や年齢に照らせば、この先、再び国民の審判を受け、政治家としてやり直すことが可能であるにもかかわらず、その選択肢を自ら捨て去り、政治の世界には戻らないことを誓ったのである。

 被告人が本件によって味わった塗炭の苦しみは尋常なものではなく、自らが犯した罪の深さは十分に身に染みて感じているところでもあり、被告人が再び選挙違反を含めた犯罪に及ぶおそれは皆無である。

 8 贖罪(しょくざい)寄附をしたこと
(ここまで 1808文字/記事全文 5300文字)

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