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山口県の医療体制「非常事態」 県医師会長訴え 病床使用率は73%

2021/5/21 19:12
医療体制の危機的状況を訴える三浦会長(左)、河村会長(中)、鶴田副院長

医療体制の危機的状況を訴える三浦会長(左)、河村会長(中)、鶴田副院長

 山口県医師会の河村康明会長が21日、山口市で記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制が「非常事態にある」と訴えた。県内は変異株の広がりもあって流行に歯止めがかからず、病床使用率は7割を超える。医療従事者の負担を減らすため、改めて予防の徹底を呼び掛けた。

【グラフ】山口県の新型コロナウイルス感染者数と医療提供状況

 河村会長は現在の感染状況を「医療的にはステージ4(爆発的感染拡大)相当だ」と強調した。大型連休明けに感染者が急増していることから「県民と行政、医療機関が三位一体となって対抗しなければならない」と危機感をあらわにした。

 医師会と県病院協会はこの日、連名で「医療緊急事態宣言」を発表した。変異株の影響で重症化する事例が頻発し、救急患者や他の病気に対する医療が圧迫されており「本来守れたはずの命も守ることができないほどの事態」と指摘する。

 連休以降、県内ではクラスター(感染者集団)の発生が相次いだ。18日には、1日当たりの発表では過去2番目に多い66人が感染し、月別の最多を更新した。通所介護施設で感染が広がるなどして高齢者の感染割合が高まり、重症・中等症患者が増えて医療機関に重い負荷が掛かっている。

 21日時点の病床使用率は73・1%で、50%以上とするステージ4の基準を大きく上回る。11日に50%を超えて以降、高い水準で推移し、わずか1週間で22・3ポイント上昇した。20日には重症者が初めて2桁となり、重症病床の使用率も上がっている。

 同席した病院協会の三浦修会長は「現場は精神的、肉体的に疲弊している。医療体制を維持するために感染予防への協力を」と呼び掛けた。重症者を受け入れる山口大付属病院の鶴田良介副院長は、第4波の襲来で5床ある重症病床が全て埋まったことから「最近は重症化する期間が短いと感じる。東京や大阪で起こっていることが山口でも起きている」と警鐘を鳴らした。

 県は高齢者向けのワクチン接種を7月末までに終える計画。16日時点の接種回数は3万3131回で、東京、愛知、大阪に次ぎ全国で4番目に多い。河村会長は「地域と県、医療機関でうまく話し合いが進んでいる」と評価した。(中川晃平) 

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