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若者への歴史継承を評価 映画「おかあさんの被爆ピアノ」製作スタッフに奨励賞

2021/5/29 22:56
賞状を手に受賞を喜ぶ五藤監督(左から2人目)と武藤十夢さん(同3人目)

賞状を手に受賞を喜ぶ五藤監督(左から2人目)と武藤十夢さん(同3人目)

 被爆ピアノの修復を手掛ける広島市安佐南区の調律師、矢川光則さんをモデルにした映画「おかあさんの被爆ピアノ」の製作スタッフが、日本映画復興奨励賞を受賞した。29日に東京都内で贈呈式があり、五藤利弘監督は「映画を知っていただくきっかけになる。被爆と戦争を記憶にとどめてほしい」と語った。

 東京の被爆3世の大学生菜々子が矢川さんと交流し、ピアノを寄贈した母や持ち主の亡き祖母の思いを知り被爆ピアノの演奏に挑む物語。被爆体験の継承という主題を主人公が被爆ピアノを弾くことで具体的に描き、若い世代も含め広く共感できると評価された。

 五藤監督は、広島で被爆ピアノを鳴らし感激する修学旅行生の表情を見て製作を決めたという。「音色は当時のまま。被爆を忘れないものを作りたかった」と振り返った。菜々子を演じたAKB48の武藤十夢(とむ)さんは「戦争や平和に関心を持つ若い人が増えたらうれしい」と願っていた。

 同賞は映画関係者の団体などでつくる日本映画復興会議が選定。平和と民主主義を守り、戦争に反対し、ヒューマニズムの理念に徹した作品と関係者を毎年表彰している。尾道市出身で昨年亡くなった大林宣彦監督の遺作「海辺の映画館―キネマの玉手箱」のスタッフは日本映画平和賞に選ばれた。(境信重)

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