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「次は私の髪を病気の子に」がん克服の広島の小6坂井さんが寄付

2021/5/30 22:48
家族に見守られ切ったばかりの髪を手にする慧和さん

家族に見守られ切ったばかりの髪を手にする慧和さん

 小学校入学前に小児がんを患い、治療で一時髪を失った、井口台小6年の坂井慧和(けいな)さん(11)=広島市西区=が30日、医療用ウィッグ(かつら)の製作に使う髪を寄付する「ヘアドネーション」のために三原市の美容院で5年間伸ばした髪を切った。事故や病気で髪を失った子どもたちにウィッグを提供する大阪市のNPO法人に送る。

 慧和さんは入学式を3カ月後に控えた2015年12月末、腹部の痛みが続き、病院で悪性リンパ腫と診断された。すぐに入院し、抗がん剤治療を始めた。入院前に肩の下まであった髪はほとんど抜け落ちた。しかし病院で同じように闘病中の子どもたちと過ごし、家族の励ましもあって元気を取り戻した。

 16年5月末に退院し、6月からバンダナを巻いたり帽子をかぶったりして通学を始めた。少しずつ髪が伸び、夏休み明けから何もかぶらずに登校。同級生に「男の子みたい」とからかわれることもあったが「今生えてきている髪は治療を頑張った証し」と屈しなかった。3年生の時、母の摩耶さん(43)とテレビ番組でヘアドネーションのことを知り「次は自分が病気で苦しむ子の役に立ちたい」と髪を伸ばし始めた。

 現在も定期検査で3カ月に1回ほど通院するが、再発はしていない。30日、祖母行きつけのヘアドネーションに賛同する美容院「デリッシュ・ヘア」を訪れ、家族に見守られながら約50センチ切った。「家族みんなに支えられて病気を乗り越え、伸ばすことができた特別な髪。また伸ばして寄付したい」。肩の上で切りそろえられた髪をなでた。(石下奈海)

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