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広島市内のシェアサイクル利用、20年度過去最多

2021/5/31 17:38
JR広島駅近くのサイクルポートから職場へ向かう利用者

JR広島駅近くのサイクルポートから職場へ向かう利用者

 広島市が市中心部で電動アシスト自転車を貸し出す事業「ぴーすくる」で、2020年度の利用は38万1136回だった。19年度の19万214回と比べて倍増し、過去最多となった。市は、新型コロナウイルスの影響で観光客の利用が減少した一方、「密」を避けようと公共交通から乗り換えた市民が多かったとみている。

 JR広島駅に近い南区の百貨店前。自転車の貸し出しと返却のポイント「サイクルポート」には、市内最多の45台が並ぶ。緊急事態宣言中の5月下旬の平日朝、スーツ姿の市民たちが次々と立ち寄り、職場に向けてペダルをこぎだした。

 中区の市役所近くに通うために利用している会社員戸沢孝子さん(53)=安芸区=は「昔から人が密集する公共交通が苦手で、今はコロナも気になる。自転車の方が早く職場に着くし、健康にも良い」と話した。

 市は14年度、主に観光客をターゲットにぴーすくるを始めた。サイクルポートの設置は当初、平和記念公園や広島城、広島駅といった観光スポットや交通の結節点が中心だったが、18年度からは商業施設やコンビニなどに拡大。当初の14カ所から、今年5月には107カ所まで広げた。

 自転車の数も20年度に250台増やし、19年度比1・5倍の750台とした。「3密」にならない自転車での通勤や通学が新型コロナの感染症対策にもつながるなどとして、国の新型コロナの臨時交付金2500万円を財源に充てた。

 その結果、20年度の利用が19年度比で倍増。市自転車都市づくり推進計画で23年度の目標とした年間38万回を、3年前倒しして達成した。通年で運営を始めた15年度の2万2683回から右肩上がりを続ける。

 市によると、20年度の市内の主要な観光施設の来場者数は、新型コロナの影響で前年度の半数程度に落ち込んだという。市はぴーすくるの主な利用者層が、当初当て込んだ観光客から、通勤や買い物で密を避けたい市民に移った可能性があるとみている。

 市自転車都市づくり推進課の柴田知子課長は「サイクルポートの増設などで利用しすくなった効果が出ている。コロナ収束後の観光客の取り込みもにらみ、より便利に使ってもらう環境を整える」としている。(余村泰樹)

 <クリック>ぴーすくる 広島市とドコモ・バイクシェア(東京)が共同で実施するシェアサイクル事業。5月11日現在でサイクルポートは中、東、西、南区の計107カ所にあり、電動アシスト自転車750台を配置している。専用サイトで登録する場合の料金プランは(1)1日1100円で乗り放題の1日会員(2)最初の60分が165円、その後は30分110円の1回会員(3)月2200円を払い、最初の30分は無料、その後は30分110円の月額会員―の3種類がある。法人向けや、会員登録の要らない1日パスもある。


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