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接種率向上へ、広島県内各市町が腐心 高齢者ワクチン7月完了目標

2021/5/31 22:55

 広島県内の各市町が、高齢者の新型コロナウイルスワクチンの接種率向上とスピードアップに腐心している。広島県で1回目を打ち終えた65歳以上の高齢者の割合は1割強。市町別でみると70%を超す町がある一方、5%に満たない市もある。遅れている自治体も7月末までの完了を目指し、接種を急ぐ。予約が難しい高齢者をフォローする動きも広がってきた。

 ▽1回目、神石高原町75・1%が最高

 県内でも4月12日に始まった高齢者のワクチン接種。それから約1カ月半、5月30日までに国のシステムに登録された接種回数を各市町から聞き取り、昨年1月1日時点の住民基本台帳の高齢者人口に占める接種人数の割合(接種率)を計算した。1回目は神石高原町が75・1%で最も進んでいる。

 庄原市55・0%▽大崎上島町51・5%(31日時点)▽海田町49・1%―と続いた。一方、人口の多い市は接種率が低い傾向があり、低い順に福山市4・3%▽広島市4・4%―だった。2回目の最高は坂町の21・7%。合計の接種回数は広島市1万3206回▽呉市1万29回―の順に多かった。

 接種率が高い神石高原町の担当者は「高齢者が半数を占める町なので接種を急いでいる。医療機関の献身的な協力で進んでいる」とする。一方、完了目標を10月初旬から7月末に前倒しした広島市。担当者は「まだ始まったばかりで、今のところほぼ見込み通り。個別接種の協力医療機関が順調に増えており、今後はペースが上がる」とみる。大規模接種会場の設置も検討中という。

 接種は終えているものの、医療機関や自治体の入力が進んでいないケースもある。システム上は1回目の接種率が10・0%だった世羅町の担当者は「予約状況からみると接種率は27%。医療機関には入力よりも接種を優先してもらっている」と説明する。

 熊野町はさらなる接種のスピードアップに向け、高齢者の接種を進めながら、同時に基礎疾患のある人と60〜64歳の接種も7月から始める方針にしている。

 ▽「取りこぼし」防止に工夫 はがきや電話で予約促す

 接種券を受け取った高齢者の中には、自力で予約するのが難しかったり、届いた書類を見過ごしたりして困っている高齢者もいる。広島県内の市町は、接種希望の「取りこぼし」の防止にも工夫を凝らす。

 竹原市は5月10日、接種券を送ったのに予約が入っていない80歳以上の約1900人にはがきを送り、接種を呼び掛けた。その後、うち約550人の予約があったという。「高齢者は重症化のリスクが高く、早めに打ってもらいたい」と担当者。80歳未満の人にも、予約を締め切った後に同様のはがきを送るという。

 坂町は、80歳以上の町民約850人に接種券を送った後、一人一人に電話し、接種に予約が必要なことを伝えた。さらに予約が済んだ高齢者には、接種日を記したはがきも送り、接種2日前に電話もする徹底ぶり。担当課は「貴重なワクチンなので、予約を取った人が当日に行くのを忘れてしまうことを避けたい」。

 北広島町は、箕野博司町長のメッセージを町内放送で流した。「この機会に、家族や近所の人にお手伝いしてもらって予約を」。予約できていない人に直接声掛けする仕組みも検討中だ。民生委員や自治会役員、ケアマネジャーたちの力を借り、心配な人に目配りしてもらう市町は多い。

 三原市は電話とインターネットによる予約方法を見直した。市から日時と会場を仮に指定した通知を郵送し、可否などを記した同封はがきを返信してもらう方式。担当者は「高齢者によりなじみ深い方法。予約しやすいと思う」と、接種率の向上に期待を寄せる。

 福山市は独自の手法を導入した。高齢者(75歳以上)と障害者に接種会場に向かうタクシー代を補助する。片道千円が上限で、接種2回分で最大4千円。移動が難しい人をバックアップすることで、接種率アップを目指すという。(衣川圭、田中美千子) 


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