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副市長案また否決 安芸高田市長、再議の意向【動画】

2021/6/2 22:34

前回賛成した市議(手前左)の反対討論を聞く石丸市長(右端)

 安芸高田市議会(定数16)は2日、臨時会を開き、2人目の副市長に一般社団法人RCF(東京)職員の四登(しのぼり)夏希氏(34)を充てる選任同意案を、賛成5人、反対10人の賛成少数で否決した。四登氏の選任案の否決は、賛成7人、反対8人だった3月10日の本会議に続く2度目で、前回賛成した2人が反対に回った。石丸伸二市長は議決に至る過程に法令違反の疑いがあるとして、再議に付す意向を示した。

 【表】2度目の副市長案に対する市議の賛否

 全市議が出席し、賛成の5人、反対の4人の計9人が討論に立った。前回は賛成した市議の一人は反対討論で、1日にあったオンラインでの四登氏との意見交換会を踏まえ、優秀で意欲のある人材と評価。一方、昨年から石丸市長と議会の溝が埋まらない現状を念頭に「外部から優秀な人材を迎え入れるには、活躍できる環境を整えるのが市長の責務。責任を果たしたとは思えない」と、反対市議との対話不足を指摘した。

 前回同様に、市の厳しい財政状況を踏まえ、今は2人目の副市長を置くべきではない、人件費を新型コロナウイルスの経済支援に充てるべきだとする声も強かった。賛成討論では、若さや女性の視点を生かしたまちづくりに期待する意見が出た。

 石丸市長は閉会後の記者会見で、四登氏の選任案の再々提案はしないと説明した。一方、3月に副市長の人件費を含む本年度の当初予算が市議会に全会一致で可決されているにもかかわらず、財政難を理由に選任案に反対するのは、市の議会基本条例に違反しているなどと主張し、再議に付すと表明。3日に宍戸邦夫議長に申し入れるとした。

 2人目の副市長は1月に全国公募し、4115人の中から四登氏が内定。石丸市長は、否決後に結成された市民グループが四登氏の起用を望む署名を集めるなどの動きが出たのを踏まえ、5月25日に選任案を再提案すると表明していた。(和泉恵太、小山顕)

 ▽安芸高田市長、条例違反疑い指摘 人件費予算化後に「財政難」主張

 安芸高田市の石丸伸二市長は2日、市議会への再議の申し立てを表明した理由として、2人目の副市長選任同意案の否決に至る過程に同市の議会基本条例違反の疑いがあることを指摘した。地方自治法によると、自治体の首長が議会の議決に異議や法令違反の疑いなどを持った場合にやり直しを請求できる。

 石丸市長は、副市長の人件費が既に予算化された状況下で、財政難が今回の副市長の選任案への反対理由として出たのを例に挙げ、同条例の活動の原則「市政の課題に関する論点・争点を明らかにする」との規定に反するとの見解を示す。

 また、本人の意思ではない理由で賛成しなかった市議もいたと主張。議員間の自由討議もできておらず、市民の疑惑を招く行動に当たると疑問を呈した。

 再議には、異議のある議決に対する一般的拒否権と、法令や会議規則に違反するなどと認められる場合に義務付けられている特別拒否権がある。今回のケースは特別拒否権。やり直した議決でも法令違反などがあると判断すれば、知事に審査を申し立てることができる。

 石丸市長は「議決をひっくり返すのが目的ではない」と説明する。3日に宍戸邦夫議長に対して再議に付す旨を伝え、全員協議会での市議への意見聴取を求める考え。「法令違反をただした上で議決するよう申し入れる。全協で徹底的に説明責任を果たしてほしい」としている。(和泉恵太)

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