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定期試験廃止、じわり広がる 広島市立中、習慣化を重視

2021/6/6 22:52
5月にあった東原中の国語の単元テスト

5月にあった東原中の国語の単元テスト

 広島市立の中学校で、中間・期末の定期テストを廃止する動きがじわり広がっている。中国新聞が全63中学校を調査したところ、2021年度からの廃止が3校、20年度が1校で計6・3%。代わりに単元ごとの小テストや、生徒が自らの学びを振り返るリポートなどで学習状況を評価する方法に切り替えている。広い出題範囲を一夜漬けで詰め込みがちな従来の形式よりも、勉強を習慣化できるとの狙いがある。

 定期テスト廃止の動き 広島の先進校、東原中と楠那中に聞く


 生徒の学習状況の評価方法は各校に裁量がある。中国新聞の調査では、楠那、翠町(いずれも南区)と東原(安佐南区)が本年度から定期テストを廃止していた。昨年度にやめた学校も1校あった。

 取材に応じた楠那中と東原中は昨年度まで、他校と同様に、前期と後期に中間・期末のテストを1回ずつ実施。その結果に宿題の提出状況などを加味し、成績を付けていた。本年度からはこれらの指標をなくし、単元ごとに小テストやリポートを課し、評価する形に切り替えた。リポートには疑問点や関心を持ったことなどを書かせ、生徒の学ぼうとする姿勢を読み取る。

 東原中の堂免直樹校長は「定期テストは出題範囲が広く、生徒の力を捉え切れないと感じていた」と明かす。楠那中の福本隆寿校長は「単元ごとに結果を見ることで、できていることとできていないことが明確になり、次に生かしやすい」と強調する。

 背景には、本年度に全面スタートした学習指導要領もある。単元などテーマのまとまりを意識して評価を工夫し、その結果を学習や指導にフィードバックすることを求めている。子どもが自ら設けた目標に向け、粘り強く追究する姿勢も重視され、学校は評価の在り方の検討を迫られている。

 全国的には東京都千代田区立や金沢市立などの中学校も定期テストをやめている。広島大の棚橋健治副学長(教科教育学)は「校内テストは学習の経過をつかみ、改善に生かすのが本来の目的。学んだ内容ごとに実施するのは有効だ」と語る。「今求められているのは、子ども自らが問いを立て、仮説を吟味しながら新しい知識を形作る学び。学びのプロセスが重視される中、テスト見直しの流れは続きそう」とみる。(新本恭子)

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