• トップ >
  • トピックス >
  • 「鉄路どうなる」沿線警戒 芸備線一部の在り方協議 「利用促進」前向き反応も

トピックス

「鉄路どうなる」沿線警戒 芸備線一部の在り方協議 「利用促進」前向き反応も

2021/6/8 23:09

 JR西日本が芸備線の一部区間の運行の在り方などで地元と協議したい意向を示した8日、沿線自治体に動揺が広がった。新型コロナウイルス禍を背景に経営トップが2月、低収益のローカル線の「廃止」に言及する中での突然の動き。乗客の減少傾向は中山間地域に共通する課題で、周辺の路線沿いの自治体は波及を警戒した。芸備線の存続を願う住民たちは「鉄路がなくなるかもしれない」との危機意識を一気に高めた。

 「利用促進に向け、一緒に頑張っていく認識で一致した」。庄原市の木山耕三市長は市役所で約40分間、JR西日本広島支社の蔵原潮支社長と面会した後、前向きな受け止めを語った。

 市は昨年、芸備線のJR備後庄原駅を全面改修したばかり。新たなにぎわいづくりの拠点とする狙いだが、市内には1日当たりの乗車がゼロ(2019年度)の駅が複数ある。木山市長は「JR側から『明るい展望が開けるように』との発言もあった」として、利用増に向けた対策の検討を進める考えを強調した。

 県境を挟んだ新見市。戎斉(えびす・ひとし)市長も市役所で、岡山支社の平島道孝支社長を迎えた。会談後、「JR西の社長がローカル線の廃線を含めた在り方の見直しに言及し、われわれにも危機感があった。庄原市などと連携して対応する」と語った。

 庄原をはじめ、広島、三次、安芸高田の沿線4市でつくる芸備線対策協議会は5月、路線存続を広島支社に要望したばかり。安芸高田市の石丸伸二市長は、市内の向原高の生徒の多くが通学に使う現状に触れ「欠かせない交通インフラで危機感を強めている。4市で課題に取り組む方針は不変だ」と、沿線自治体の連携が重要と説いた。

 三次市の福岡誠志市長は「庄原市との往来、備北地域の観光振興に大きな存在だ。JR西と課題意識は共有しており、利用促進へ協力していく」と話した。

 芸備線と塩町駅(三次市)で交わり、福山市へ連なる福塩線も、利用が伸び悩む路線の一つ。沿線自治体には警戒感が広がる。

 府中市の小野申人市長は「将来的には芸備線の見直しがあると思っていたが、こんなに早まるとは」と驚いた。福塩線は市の南北を貫く重要な交通手段として「通勤、通学だけでなく観光利用を含めて活用策を考える」と主張。広島県世羅町の道添毅企画課長は「福塩線でどんな動きが出てくるか、注視する」とした。

 中国山地では、広島、島根両県をつなぐ三江線が18年に廃止された歴史があるほか、今月には米子支社が木次線を走るトロッコ列車「奥出雲おろち号」の運行を23年度で終えると発表した。島根県奥出雲町の勝田康則町長は「芸備線は人ごととは思えない。次は木次線の利用者の少ない区間ではないか」と危惧した。 

【関連記事】

芸備線一部区間、利用低迷で在り方協議へ JR西、関連自治体に参加要請

過疎路線にコロナ追い打ち JR西の経営悪化、課題先送り困難

JR西広島支社長、路線廃止についての見解は 一問一答


この記事の写真

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

トピックスの最新記事
一覧