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代々木・新宿…周南オリジナルの地名 郷土史家「東京由来」を否定

2021/6/9 22:48
(上)「代々木公園」と書かれた表示(中)「新宿通」と記された住所表示板(下)徳山港そばにある「晴海埠頭」の交通案内板

(上)「代々木公園」と書かれた表示(中)「新宿通」と記された住所表示板(下)徳山港そばにある「晴海埠頭」の交通案内板

 東京の有名な場所に似た地名が周南市内に多い―。こんな研究が徳山地方郷土史研究会の会誌に載った。会員の西村修一さん(66)=同市櫛ケ浜=が執筆した。東京由来と思われがちな地名を文献や証言を基に、多くが地元オリジナルと反論。「地元固有の地名と分かれば、多くの人がより郷土に愛着を持つはず」と訴える。

 市内には銀座や代々木通、新宿通、晴海埠頭(ふとう)、有楽町、青山町、原宿町といった場所がある。「東京の地名を引き継いだ」と主張する山口県内外の人が多かったことから、西村さんは約5年前に検証を始めた。

 地元固有と判断した代表格は「代々木」。周南市役所そばの県道347号周辺に「代々木通(どおり)」という地名があり、江戸期に描かれた周防国都濃郡徳山絵図には「代々小路」と記述がある。地域内にある代々木公園は1962年の開園で、東京の代々木公園の67年より早い。このため東京由来ではないと見る。

 代々木通の北西には「新宿通」がある。「戦災復興で今宿地区に道路を新しく造る時、新宿通と名付けられた」という趣旨の住民の証言があり、新宿も地元オリジナルと推測した。

 このほか「青山町」「晴海埠頭」「原宿町」「御幸通」も地元由来とした。戦前から有名だった「銀座」と「有楽町」は東京由来と判断した。

 周南市内で旧徳山市中心部では、多くの施設が終戦直前の空襲で消失した。戦後、復興に向けた区画整理で新地名が相次ぎ生まれたという。西村さんは「東京目線で見れば、東京が全ての発祥と思いがちだ。しかし当時の人が東京の多くの地名を知っていたかどうかは怪しい。地名の由来を探っていけば地元の独自性が見えてくる」と話している。

 研究を掲載した会誌第42号は3月の発行で周南市立中央図書館などで読める。(中井幹夫)


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  • 徳山地方郷土史研究会の会誌第42号を持つ西村さん

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