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実習生孤立、乳児犠牲「妊娠ばれると帰国させられる」 東広島の遺棄致死事件、法や制度理解できず【インサイド】

2021/6/11 7:07

ボット被告が暮らしていた社員寮。出産した乳児の遺体を庭に埋めたとされる=2020年11月13日(東広島市志和町)

 「妊娠がばれると帰国させられると思っていた」。東広島市志和町で2020年11月、生後間もない乳児の遺体が見つかった事件で、保護責任者遺棄致死、死体遺棄の罪で起訴されたベトナム国籍の元技能実習生の女(26)は広島拘置所で中国新聞記者の接見に応じ、涙ながらに悔やんだ。実習生の支援団体は、女を日本へ送り出したベトナム国内の機関が「妊娠したら帰国」と説明していた可能性があるとみる。日本の法律や制度を理解できないまま働き、孤立する実習生の姿が浮かび上がる。

 記者は5月下旬までにスオン・ティ・ボット被告と2回接見した。ボット被告は19年12月に来日。同市内の会社の農場で野菜の収穫などを担い、一戸建ての社員寮で暮らした。母国には夫と3歳の長女がいる。「お金を稼いで長女を育てたかった」。日本語はあいさつ程度しか話せず、社内でコミュニケーションを取るのは難しかった。

 ■言葉分からず

 別の事業所の実習生との間で妊娠が分かったのは20年4月。その事実は内に秘め、堕胎しようと産婦人科を訪ねた。しかし、言葉が分からず、費用もなく諦めた。11月、寮で出産。間もなく死亡した乳児の遺体を段ボールに入れ、庭に埋めたとされる。「今も、その時を夢に見ることがある」。ボット被告はうつむいた。

 男女雇用機会均等法は妊娠を理由に女性を不利益な立場に置くことを禁じる。それは実習生にも適用される。ボット被告の会社や受け入れた監理団体は「妊娠すれば帰国させるといった規定などはない」という。
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