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歳費法改正へ独自条文 公明が着手、自民見送り判断で

2021/6/10 23:38

 ▽「本気度を示したい」

 選挙違反で当選無効となった国会議員の歳費返還を可能にする歳費法改正に向け、公明党が既にまとめている改正案骨子をベースにして具体的な条文づくりに着手したことが10日、分かった。連立を組む自民党が今国会での改正を見送る方針を9日に決めたことを受けた動き。「与党協議が大前提だが、『政治とカネ』問題に向けた本気度を示したい」(公明党幹部)としている。

 関係者によると、条文づくりは10日に始めたという。たたき台とするのは5月下旬にまとめ与野党へ示した改正案骨子。当選無効となった議員に歳費と文書通信交通滞在費の各10分の4、期末手当(ボーナス)の全額の返還を義務付ける趣旨は変えず、国会提出をにらんで法案の形式を整える「肉付け」を進めるという。

 北側一雄党中央幹事会会長は10日の記者会見で「わが党で法案要綱をつくっていこうと本日の常任役員会で決めた」と説明。作業の詳細には踏み込まなかったが、改正見送りを決めた自民党の判断には「公明党案が駄目なら、具体的な案を出してほしい。政治の側がどうけじめをつけていくのかが問われている」と苦言を呈した。

 自民党の検討プロジェクトチーム座長を務める柴山昌彦幹事長代理は9日、今国会での改正は「かなりの困難を伴う」とする一方、次期臨時国会での実現に意欲を示した。この点について、立憲民主党の泉健太政調会長は10日の記者会見で「次の国会で、と言うなら公党として各党に約束していただきたい」と注文した。(桑原正敏)

 ▽党対応、岸田氏「好ましくない」

 自民党の岸田文雄前政調会長(広島1区)は10日、選挙違反で当選無効となった国会議員の歳費返還を可能にする歳費法改正の今国会での実現を見送る方針を決めた党の対応について「議員の立場を失ったり、活動ができなくなったりした議員に、税金を基にする歳費が支払われていることに国民から疑問が寄せられている。党が消極的だと見られるのは好ましくない」と述べた。岸田派の会合後、報道陣に答えた。

 大規模買収事件による河井案里元参院議員の当選無効に伴う4月の参院広島選挙区再選挙で自民党新人が敗れた後、党広島県連会長の岸田氏は二階俊博幹事長に歳費法改正を要請していた。党検討プロジェクトチーム(PT)が見送り方針を打ち出した9日も党本部に二階氏を訪ね、「しっかり前向きな姿勢を保ってほしい」と注文したという。

 PT座長の柴山昌彦幹事長代理が次期臨時国会での法改正に意欲を見せたことには「スピード感を持って臨み、努力する姿勢を示すのが大事だ」と期待した。(下久保聖司)

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