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「取り残される人が出かねない」ワクチン接種の困り事、団地住民の結束力 広島の毘沙門台

2021/6/13 11:29
団地の全世帯に配るアンケートの内容を確認する毘沙門台学区社協の林会長(右)。隣は横平和美事務局長

団地の全世帯に配るアンケートの内容を確認する毘沙門台学区社協の林会長(右)。隣は横平和美事務局長

 広島市安佐南区の毘沙門台団地の住民たちが、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けるのに苦心する高齢者の全面サポートに動きだした。地元の診療所に掛け合い、接種枠を確保。予約手続きを代行し、送迎役も担う。住民主導で希望者の取りこぼしを防ぎ、早期接種につなげる独自の試みだ。

 毘沙門台学区の社会福祉協議会が、団地近くの高橋内科小児科医院から協力を取り付けた。1時間につき3人、1日に最大24人を受け入れてもらう計画だ。

 同医院への予約代行も担い、団地内の全約2850世帯にアンケート用紙を配布。希望者に年齢、健康状態、送迎希望の有無などを書いてもらい、ファクスなどで返送を求めている。付き添い送迎サービスは、暮らしの困り事に応じる地元の住民グループ「びしゃもん台 絆くらぶ」が30分につき500円で提供する。

 独自の支援策を編み出したのは、「取り残される人が出かねない」との思いから。「予約の電話がつながらない」「『かかりつけじゃない』と断られた」「ネット予約のやり方が分からん」…。接種が本格化する中、団地にはそんな声が飛び交うようになった。

 同社協の林裕会長(83)は「コロナ禍という非常時こそ、コミュニティーの力が問われている」と強調する。高齢の単身世帯が増える中、同社協はこれまでも町内会などと連携。「絆くらぶ」を2年前に発足させるなど、住民ニーズに沿ったまちづくりに取り組んできた。今回も接種率を高めようと、入念に協議を重ねたという。

 気掛かりな高齢者には別途、民生委員たちから声掛けをしてもらうことも決めた。林会長は「ワクチン接種は住民のつながりを強める機会にもなる。今後、障害がある人の接種も支えたい」と話している。(田中美千子) 

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