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渋沢栄一と井原、大河ドラマに登場 興譲館高、建学精神に理解を

2021/6/14 21:25
ドラマでも渋沢と阪谷の対談の会場として描かれた興譲館講堂

ドラマでも渋沢と阪谷の対談の会場として描かれた興譲館講堂

 実業家渋沢栄一(1840〜1931年)を主人公としたNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の13日の放送で、幕末に渋沢が農兵募集のために現在の井原市を訪れた様子が描かれた。前身の郷校が舞台となった興譲館高(同市西江原町)や、井原との縁をアピールしてきた市の関係者たちは、地元にスポットが当てられたドラマの展開を喜んだ。

 大河ドラマでの農兵募集の逸話は、渋沢の自伝「雨夜譚(あまよがたり)」にもおおむね沿った筋書き。一橋家に仕えていた渋沢が軍備増強のため、所領の備中国の井原を訪れ、農民たちに同家の兵隊になるよう呼び掛けた。募集は難航したものの、興譲館で館長の漢学者阪谷朗廬(ろうろ)や塾生との交流を温め井原に溶け込んだ渋沢。地元の代官が面倒を避けるために農兵募集を妨げていたのを見破り、数百人の応募にこぎ着ける巧みさも描かれた。

 ドラマで渋沢と阪谷が対談した興譲館の講堂も登場。校内に残る講堂は一般公開されておらず、現地ロケではなかったが、石下景教校長は「伝え聞いていた対談の様子が生き生きとした映像で表された」と感慨深げ。朗廬の子孫で学校法人興譲館の阪谷綾子理事長は「生徒たちが建学の精神に理解を深めるきっかけになれば」と願った。

 渋沢と井原の縁をNHK側にアピールしてきた井原市の大舌勲市長も喜びを口にした。14日開会の市議会定例会本会議の冒頭で「多くの人に渋沢との関わりを知ってもらえた」とし、企画展示などでの観光誘客に意欲を見せた。

 渋沢の孫でエッセイストの鮫島純子さん(98)=東京=と親交のある金川ちよ子さん(72)=同市西江原町=は現在、地元の仲間と渋沢の活躍を伝える紙芝居を制作中。紙芝居でも農兵募集の逸話を描く。来月の完成に向け、金川さんは「大河に負けないすてきな紙芝居に仕上げたい」と刺激を受けていた。(高木潤)

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