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内申点は3年時3倍 広島県の公立高入試改革、県教委が最終案

2021/6/29 9:36

 広島県の公立高の入試制度改革で、県教委がまとめた最終案の全容が13日、分かった。推薦入試の廃止や全ての受験生との面接などは9月に公表した素案を踏襲。簡素化する調査書(内申書)は学習記録(内申点)のみを記載し、3年時の配点を3倍にして、3年間の努力をより的確に評価するのを目指す。現在の小学6年生が受験する2023年春の入試から実施する。

 入試の大枠を変え、現在は推薦入試として2月上旬にある選抜Tを廃止し、3月上旬の一般入試(選抜U)と統合して「一次選抜」とする。入試期間の短縮で、中学校と高校の両方で授業時間を確保しやすくする効果を見込む。現在は選抜Vとして取り組む、定員割れした高校による2次募集は残す。

 面接は、新たに導入する「自己表現カード」を基に実施する。関係者によるとカードの具体的な様式は未定だが、受験生が中学校生活に興味を持って取り組んだことや、高校で学びたいことなどを書いてもらうと想定。面接ではこのカードなどを材料に、自身をアピールする「自己表現」をしてもらう。就職面接とは一線を画し、受験生が自然体で臨める形を目指す。

 内申書の簡素化は、教員の負担軽減策としても位置付ける。教員が記入する項目のうち、生徒のボランティアやスポーツ、生徒会活動などの記録欄を廃止。国語や数学、英語、音楽など9教科について、教員が定期テストの点数や課題の提出などを基に評価した「学習の記録」と、名前などの基本情報に絞り込む。

 素案では学習記録の対象を中学2、3年時に限定していたが、最終案では現行通り、1年時も加えると改めた。代わりに3年時の評価を、1、2年時の3倍とする。「中学生活の途中で学力が伸びた場合、十分な評価につながらない」などの声を踏まえて、3年間の勉強の努力をより的確に評価するよう工夫した。

 改革の時期は、23年春の入試からと定める。素案では、現在の中学2年生が受験する21年春以降の段階的な実施を掲げたが、中学生から在籍中の制度変更への不安を訴える声が多く寄せられた。このため県教委が11月、「早くても23年春」に先送りした経緯がある。最終案はその中で最も早いタイミングとなる。

 県教委は最終案を、今月18日にある県教育委員会議に諮り、審議結果を踏まえて改革の内容を公表する予定でいる。その後、01年春から続く現在の入試制度の22年ぶりの抜本改革に向けて、準備を本格化させる。(久保友美恵)

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