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入試改革実施は23年春以降 広島公立高、混乱回避へ先送り

2021/6/29 9:57

 広島県の平川理恵教育長は8日、素案で推薦入試(選抜T)の廃止などを打ち出した公立高の入試制度改革の実施時期について、早くても現在の小学6年生が受験する2023年春に先送りする考えを明らかにした。素案では現在の中学2年生が受験する21年春以降の段階的な実施を掲げていたが、在籍中の制度変更への不安を訴える中学生たちの声を重く受け止め、異例の方針転換をした。

 この日の記者会見で、県民から広く意見を募る手続き「パブリックコメント」の結果を説明。「現在の中学生が在籍中に制度を変えると、生徒や保護者の混乱を招く。今の中学生は現行の制度で入試を実施し、現在の小学6年生から新しい制度での入試とする方向で検討したい」と述べた。

 パブコメに755人が意見を寄せ、うち小中高生は175人だった。中学2年生から「内申点にびくびくしながら学校に通い、いろいろなものを犠牲にしてきたのに悲しい」「遊ぶことも我慢して頑張ってきた。改革されることが分かっていれば違った意味で充実した中学1年生を過ごせたはずなのに、本当にひどい」などの声があったという。

 平川教育長は今回の方針転換について「いいことは早くやりたいと考えていたが、実施時期については反対の意見が多く、早々に公表することにした」と説明した。その上で「行政にとっては変えないことが一番だが、私は抵抗はない。自分の意見で行政が動くと、子どもたちに体験、経験してもらいたい」と望んだ。

 県教委は公立高の入試改革の素案を9月に公表。21年春の入試から調査書(内申書)を簡素化し、教科学習の記録(内申点)の対象を現行の中学3年間から、中学2、3年の2年間に絞る▽生徒自身が「自己PR書」を作る▽22年春入試から推薦を廃止する−などを示した。最終的な入試改革の内容は年内に決定して公表する。(久保友美恵)

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