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公立高入試期間を短縮 広島県教委の改革素案、生徒の主体性重視

2021/6/29 10:27

 広島県教委が13日に示した公立高の入試改革の素案は、現在は約2カ月間にわたっている入試期間の短縮と、入試で重視される調査書(内申書)の見直しが大きな柱となった。中学生が自らの経験を発信する「自己PR書」の導入や、それを活用した全員の面接など、これまでにない取り組みも目立つ。県教委は生徒が進学したい高校を自ら選びやすい環境を整えるとともに、中高の教員の負担を軽くする効果を見込む。

 ◆推薦入試の廃止

 素案のうち受験生に最も大きな影響が見込まれるのが、現在は2月上旬に実施される推薦入試(選抜T)の廃止だ。3月上旬の一般入試(選抜U)と統合し、新たな一般入試となる。定員割れした場合の2次募集は残るものの、受験生から見た場合は「一発勝負」の側面が強まると言える。

 一方で新たな一般入試の実施時期は、2月下旬か3月上旬のいずれかとなる。現在は2次募集(選抜V)を含めて約2カ月間続く入試が、1カ月前後に短くなる。教員も含めて入試対策に集中せざるを得なくなる期間が短縮され、学力向上をはじめとする教育内容の充実を図る狙いがある。

 ◆内申書の見直し

 現在の内申書は中学3年間の教科学習の記録(内申点)、スポーツ・文化・ボランティアや生徒会といった活動記録などを記載している。見直し後は記載項目を、名前、性別、中学2〜3年の教科学習の記録(内申点)に絞り込む。

 中学1年の成績を外したのは「中学生活の途中で学力が伸びた場合、十分な評価につながらない」との声があるためだ。入学時から内申点を意識せざるを得ないという心理を緩める効果も見込む。

 現在の受験では、内申書は進学先の決定で大きなウエートを占める。内申点と学力検査の点数がほぼ同等に評価されるためだ。学校現場では内申点を理由に、希望した高校以外を受験させる運用もあるとされる。県教委は改革で生徒に「主体的な学校選択」を促す。

 ◆自己PR書

 新たに導入する「自己PR書」は、現在の内申書のうち活動記録の代わりとなる。生徒が自身の強みや頑張ってきた活動、高校で学びたいことなどをまとめ、高校に提出する仕組みだ。入試では一般、2次募集の全受験者に「自己PR書」を活用した面接をする。

 活動記録は記述部分が多く、教員の負担の大きさが指摘されていた。教員の主観が反映されやすいとの指摘もあり、改善を図る。県教委は自己PR書の作成や面接でのアピールという経験が、大学入試や社会に出た後に求められる力を伸ばすことにつながるとみる。(久保友美恵)

 ▽意見を届けたい

 県公立中学校長会の米谷剛会長の話 望ましい方向性だ。入試期間の短縮は勉強時間の確保につながる。改革が生徒と学校のプラスになるよう、私たちも意見を届けたい。書類の電子化など、入試作業の負担をさらに軽減する工夫も検討してほしい。

 ▽今後の動向注視

 県公立高校長協会の石井道代会長の話 長年の現行制度にも意義があったと思うが、長い入試期間が中高の両方にとって負担となっていたのは事実。見直しの今後の動向を注視したい。

 ▽方針に高い期待

 県PTA連合会の山本浩司会長の話 内申書の評価に子どもも保護者も縛られ、萎縮してしまっている現状もある。見直しの方針にはおおむね賛成。期待値は高い。

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