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【解説】現場へ説明や目配りを

2021/6/29 10:38

 広島県教委がまとめた公立高の入試改革の素案は、2001年春から続く現在の入試制度を抜本的に改める内容となった。背景には近年の国の教育方針の大きなうねりのほか、昨年4月に就任した平川理恵教育長の「広島の教育を変える」という強い意志がある。

 平川教育長は記者会見で「広島の15歳にどのような力を付けさせたいか」との観点で素案を練ったと強調した。「力」とは、生徒が自らの経験や強み、未来像について「自分の言葉で人に伝える」「進路先を選ぶ」などを指す。入試や内申書の利用の改善を求める国の動きについても「重要なきっかけ」とした。

 現在の入試制度は「内申書偏重」とも指摘され、保護者たちには一定に不満がある。受験校を選ぶプロセスで、結果的に「受かる学校」へと促しがちな現状がみられるからだ。素案は、生徒が主体的に「行きたい学校」を選べるよう変えていく効果を見込んでのものと言える。

 一方で素案は進路指導の在り方を大きく変え、子どもや保護者に戸惑いや混乱を広げる可能性もある。県教委は多様な意見を丁寧に、広くすくい上げ、説明を尽くす必要がある。

 改革の目的には「教員の負担軽減」も掲げる。全員面接などの新たな取り組みが、さらなる業務量の増加を招けば本末転倒となる。現場にしわ寄せが行かないよう努める姿勢も欠かせない。(久保友美恵)

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