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バッハ氏来訪、異例厚遇 広島知事出迎え、平和公園は立ち入り制限

2021/7/15 10:58

 東京五輪に合わせて来日した国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が16日、広島市中区の平和記念公園を訪れる。受け入れる広島県と市は、2016年5月のオバマ米大統領の訪問時などと同様に、見学先の原爆資料館や園内への立ち入りを一時制限し、湯崎英彦知事や松井一実市長たちが迎える異例の手厚い対応を取る。県は14日、バッハ会長が被爆者と対面することも明らかにした。

 バッハ会長は、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長と共に平和記念公園を訪問する。湯崎知事、松井市長の出迎えを受け、原爆慰霊碑に献花し、資料館を見学する。非公開での会談では地元首長2人に、被爆者、県議会の中本隆志議長、市議会の山田春男議長が加わる。スピーチでメッセージも発する見通しだ。

 市はこれに伴い、16日午後0時半から3時半ごろまでの間、平和記念公園のうち慰霊碑、資料館、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館を含む範囲で、一般市民の立ち入りを禁止する。資料館と祈念館も同じ時間帯に一時閉館する。資料館は再開後、閉館時間を当日に限って通常から2時間遅らせ、午後8時とする。

 市によると、11年以降の海外の要人の訪問で資料館を閉館したのは、16年4月の先進7カ国(G7)と欧州連合(EU)の外相、16年5月のオバマ米大統領、19年11月のローマ教皇フランシスコの3例という。

 市スポーツ推進課は今回の規制について「平和を願う広島の心を世界のスポーツ界に発信してもらう意義と、IOCや組織委の求める警備の必要性を踏まえて判断した」としている。

 バッハ会長の広島訪問を巡っては、東京都に新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が出る中での五輪開催も含めて、歓迎と困惑の声が交錯している。

 湯崎知事と松井市長はそろって歓迎する。一方で県によると13日午後5時〜14日午後3時、バッハ会長の訪問に関して電話や電子メールで22件の意見が県に寄せられた。内容は「緊急事態宣言が出ている東京から来ないでほしい」など全て反対意見だったという。(宮野史康)

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 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長による16日の広島市訪問で、市は15日、松井一実市長が平和記念公園(中区)での出迎えと対談を欠席すると発表した。広島への原爆投下後に降った「黒い雨」被害を巡る訴訟で原告全員勝訴となった14日の広島高裁判決を受けて急きょ上京し、被告の市として、田村憲久厚生労働相に上告の断念を要請するため。バッハ会長の訪問行事は小池信之副市長が代わりに出席する。

 やはり被告の広島県は田辺昌彦副知事が上京し松井市長と共に田村厚労相に要請する。湯崎英彦知事がバッハ会長を出迎える予定に変更はない。

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