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悲願の総理へ林氏周到 山口3区へくら替え表明 県議ら味方に「地元の総意」

2021/7/15 23:13

林芳正氏(右)と河村建夫氏

 自民党岸田派の林芳正氏が15日、衆院山口3区への立候補を正式に表明した。3区現職の河村建夫氏は政権のナンバー2として実権を握る二階俊博幹事長が率いる二階派の会長代行。林氏側は勝負に打って出る形になるため、後ろ盾となる「地元の総意」を周到にまとめ、機が熟す環境を整えてきた。

これまでの経緯

 3日。山陽小野田市であった林氏の後援会事務所の開所式後、1台の車が東に向かった。乗っていたのは林氏支援の先頭に立つ県議会の柳居俊学議長。約100キロ離れた山口県田布施町で義理を立てる相手が待っていた。岸信夫防衛相(山口2区)だ。

 3区問題の火の粉が飛ぶ懸念がある中、岸氏は6月に3期連続で県連会長に就いた。当初は続投を拒み、柳居議長が説得した経緯がある。2区の選挙を取り仕切る柳居議長は衆院選の打ち合わせとともに「ご迷惑はお掛けしません」と伝えた。「泥は全部自分がかぶる。10年来の大願だから」と議長の覚悟を自民党関係者は証言する。

 林氏には「首相として解散権を行使するには同じ衆院の立場であるべきだ」との持論がある。地元も安倍晋三前首相(山口4区)に続く首相候補として期待し2012年に自民党山口県連、17年に支援者が3区への転身に向けて動いた。願いははじかれ、党本部は現職の河村氏を優先した。

 ▽4市長が会見に

 過去2回と今回の決定的な違いは「地元の総意」を印象づけようと策を練った点だ。一つは6月に県議会最大会派の自民党(26人)の全県議が署名した「血判状」。地盤が重なる下関市で対立してきた安倍派の県議も名を連ねた。

 そして15日の記者会見には宇部、山陽小野田、美祢、山口の4市長が顔を並べた。自民党県議は「首長が姿を見せるのは血判状への署名より覚悟が要る」と強調する。3区の有権者はこの4市で8割超を占める。林氏の表明を受けて党県連は同日、県議会棟で七役会議を開き、林氏を全力で支援することを確認した。柳居議長は「党本部には民意を酌み取りいただきたい」と述べた。

 周到な準備は危機感の表れでもある。「今回が駄目なら総理、総裁への道も閉ざされる。ラストチャンス」と林氏の後援会幹部。「1票の格差」是正に向けて22年以降の衆院選は小選挙区が10増10減となる見通し。全4小選挙区を自民党が独占する山口県の定数も一つ減り、より割り込む余地がなくなる。今後の活動についても陣営幹部は「衆院選は参院選と違ってマイクを握って政策を訴えれば通るようなもんじゃない。本人にもどぶ板をやってもらう」と力を込める。

 ▽スイッチ入れば

 二階幹事長は「党公認は現職優先」とし、林氏が打って出た場合は反党行為で除名処分も辞さないと威嚇してきた。その理論は各地の競合区で矛盾を生じさせ、林氏の陣営幹部は「問題が噴出するのは分かっていた。調整役の幹事長に乱を起こされてはたまったものではない」と憤る。

 表明というボールを林氏が投げ、受け取った側はどう投げ返すのか。二階幹事長をよく知る自民党国会議員はこうつぶやく。「二階さんは急にスイッチが入る。スイッチが入れば誰にも止められない」(渡辺裕明)

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