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「泣き寝入りしないで」ベトナム人向け労働問題窓口 福山労基署

2021/7/18 23:11
スーパーの掲示板に張られる相談コーナーのチラシ(福山市緑町)

スーパーの掲示板に張られる相談コーナーのチラシ(福山市緑町)

 福山労働基準監督署(福山市旭町)は本年度、ベトナム人向けに労働問題の相談コーナーを設けた。現時点で寄せられている相談は月3、4件だが、泣き寝入りしている人もいるとみて同労基署は管内のスーパーにチラシを張るなどして周知を図っている。市内で増えている技能実習生などの問題やトラブルに対応する狙い。

 相談コーナーは毎週水曜に署内で開き、署員と通訳が対応する。残業代の未払いや過重労働など労働条件に関する問題のほか、パワハラやセクハラなどの訴えに応じる。匿名での情報提供も受け付ける。法令違反が確認された場合は会社を指導し、悪質な場合には検察に事件送致する。

 4月の開設以降、月3、4件程度の相談が寄せられている。通訳を担当するベトナム出身で市内在住の卜部ユンさん(41)は「慣れない土地で仕事に苦しんでいる様子が伝わる。法律の専門用語が難しいこともあるが力になりたい」と話す。

 同労基署は、より多くの労働者にアプローチするため、ベトナム語で相談を呼び掛けるチラシを6月に作成した。イラストを交えて「有給休暇がとれない」「給料が安い」など身近な問題を例示している。目に付きやすい場所としてスーパー5社の協力を受けて店舗にチラシを掲示。飲食店への依頼も今後計画する。

 市の統計によると、市内の外国人は9527人(6月末時点)。国別ではベトナムが最多の3538人で全体の約4割を占める。残業代の未払いなどの被害にベトナム人が遭っているとの通報が近年急増しているのを受け、同労基署が中国人向けに続く相談コーナーの開設を決めた。

 同労基署の村上勝彦・第一方面主任監督官は「相談先に困っている外国人に気軽に訪れてもらいたい。身近にいる人も、悩んでいる様子に気付いたら情報提供を」と呼び掛ける。

 相談の受け付けは午前9時〜午後4時半。同労基署Tel084(923)0005=平日のみ。(川村正治、滝尾明日香)

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