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三つの個性、結束の銅 リオ五輪卓球女子(2016年8月18日掲載)

2021/7/23 15:29
卓球女子団体で銅メダルを獲得し笑顔の左から福原、石川、伊藤(共同)

卓球女子団体で銅メダルを獲得し笑顔の左から福原、石川、伊藤(共同)

 【リオデジャネイロ共同】リオデジャネイロ五輪第12日の16日、卓球女子団体で福原愛(27)=ANA、石川佳純(23)=全農・山口市出身、伊藤美誠(15)=スターツ=の日本は3位決定戦でシンガポールに3―1で勝利。表彰式で銅メダルを受け取り、晴れやかな笑顔を見せた。

▽笑顔に見せた成長 石川

 石川は笑っていた。卓球女子団体で銅メダルに輝いた日本。「私にはロンドンの銀より、この銅のほうが重い」。胸に輝くメダルを誇らしげに見つめた。

 これほど苦しい五輪になるとは、想像していなかったに違いない。金の期待を背負い、「打倒中国」に挑み続けた4年間。しかし、石川にその舞台は訪れなかった。個人戦はキム・ソンイ(北朝鮮)にまさかの初戦敗退。団体戦も14日、ドイツとの準決勝で不覚を取った。石川自身はシングルスで2勝しながら2―3で敗退。「本当に悔しくて悔しくて」。中国との対戦はなくなり、消化しきれない思いを抱えた。

 それでも「もう一度頑張ろう」と前を向いた。15日の練習前。敗戦の責任を感じていた福原、伊藤に笑顔で語り掛けた。「本当は苦手なんだけど、あの時は自分から声を掛けないといけないと思った」。村上恭和監督(58)は「あの笑顔でみんなが救われた」と振り返った。

 「4年間で佳純は大人になった」と父公久さん(52)は言う。「周りが見えるようになった。地元山口の応援とか、支えてくれた皆さんへの感謝を口にするようになった」。ロンドン五輪までは、勝つことだけが役目と信じてきた。だがチーム内での立場は変わった。ロンドン五輪の同僚、平野早矢香の引退で、代表に入れない選手の思いにも触れた。小さい頃から応援してくれた祖父の死もあった。

 「人々の思いを背負い闘う」。その意味を理解することで石川は強くなった。「(このメダルが)恩返しになったかな。4年後に向けてもっと努力すれば、(中国を倒す)チャンスは必ず来る」。色は銀から銅へ変わったが、リオデジャネイロに確かな成長の足跡を残した。(リオデジャネイロ小西晶)

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