トピックス

脳死肺移植番組で「苦痛」 両親の請求棄却 広島地裁

2021/7/28 21:19

広島地裁

 2017年5月に岡山大病院(岡山市)で実施された脳死肺移植手術を密着取材したTBS(東京)のテレビ番組に精神的苦痛を受けたとして、肺を提供した広島県内の男児=当時(1)=の両親がTBSや岡山大、日本臓器移植ネットワーク(東京)などに計約1800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で広島地裁は28日、請求を棄却した。

 森実将人裁判長は、番組内でモザイクなしに男児の肺が映され、執刀医が「軽くていい肺」などと発言した点に関し「男児に対する冒涜(ぼうとく)や(臓器を)物扱いする趣旨とは認められない」と判断。さらに「番組内で公開された情報でドナー(提供者)が原告の子だと特定できない」とし、プライバシー権を侵害されたとする原告側の主張を退けた。

 母親は判決後、「言葉もありません。今は何も頭に入ってきません」とのコメントを出し、控訴するかどうか検討するとした。TBSは「主張が認められたと理解するが、今後も制作や放送への細心の配慮を徹底する」とした。

 両親は19年に提訴。訴状によると、手術では男児の肺が女児に移植され、TBSはその様子を全国放送。両親は番組を視聴後、睡眠できず体調を崩し、精神的に不安定になるなどした。(根石大輔)


  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

トピックスの最新記事
一覧